著者
津田 修一 吉田 忠義 安藤 真樹 松田 規宏 三上 智 谷垣 実 奥村 良 高宮 幸一 佐藤 信浩 関 暁之 武宮 博 斎藤 公明
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.275-289, 2015-04-15 (Released:2015-04-28)
参考文献数
38
被引用文献数
4

環境中における空間線量率測定に関する実用面で役に立つ情報を提供する。この中で,精度の高い測定に必要とされる基本的要件について実データを例示しながら説明するとともに,信頼のおける環境測定に広く使用されている手法の特徴や測定例について紹介する。また,これまでに公的機関を中心に測定された空間線量率やこれに関連したデータを閲覧できるインターネットサイトに関する情報を提供する。
著者
今村 俊幸 村松 一弘 北端 秀行 金子 勇 山岸 信寛 長谷川 幸弘 武宮 博 平山 俊雄
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.22(2000-ARC-142), pp.49-54, 2001-03-08

世界各国の計算機資源のみならず様々なネットワーク上の装置を有機的に結合し,一つの仮想計算機システムを構築する試みとしてメタコンピューティングが提案されている.日本原子力研究所では,これまで所内LANでの仮想計算機上を構築し数値アプリケーションの実験を行ってきたが,さる2000年11月アメリカ,ダラスにて開催された国際会議SC2000期間中に日独米英4ヶ国のスパコンを結合して世界規模での実験の試みに成功した.本実験では,放射線情報推定システムを題材として世界5機関の並列計算機を利用し最大計510CPUの仮想計算機の構築並びに,仮想計算機上での計算を行った.また,計算と同時に仮想計算機から大気中に放出された放射性物質の拡散過程を可視化することも実施した.本報告では,世界規模での実アプリケーションの実験の概要とその結果についてまとめる.
著者
今村 俊幸 村松 一弘 北端 秀行 金子 勇 山岸 信寛 長谷川 幸弘 武宮 博 平山 俊雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.22, pp.49-54, 2001-03-08

世界各国の計算機資源のみならず様々なネットワーク上の装置を有機的に結合し,一つの仮想計算機システムを構築する試みとしてメタコンピューティングが提案されている.日本原子力研究所では,これまで所内LANでの仮想計算機上を構築し数値アプリケーションの実験を行ってきたが,さる2000年11月アメリカ,ダラスにて開催された国際会議SC2000期間中に日独米英4ヶ国のスパコンを結合して世界規模での実験の試みに成功した.本実験では,放射線情報推定システムを題材として世界5機関の並列計算機を利用し最大計510CPUの仮想計算機の構築並びに,仮想計算機上での計算を行った.また,計算と同時に仮想計算機から大気中に放出された放射性物質の拡散過程を可視化することも実施した.本報告では,世界規模での実アプリケーションの実験の概要とその結果についてまとめる.Metacomputing, which enables us to construct a virtual computer system with some computer resources or experimental devices via internet connection, was proposed. Japan Atomic Energy Research Institute, JAERI, also continued to carry out several numerical simulations on a virtual computer system even though it was restricted in the JAERI's LAN. At SC2000, we had an opportunity to construct a worldwide virtual supercomputer with help of several supercomputer centers at Germany, US, UK and Japan, and we succeeded to execute a "Quick responsible source estimation system" with 510 processor units on 5 sites. Furthermore we demonstrated a real-time visualization for the dispersion process of radioactive particles released into atmosphere. In this report, we summarized the result of worldwide metacomputing experiment.
著者
武宮 博 田中 良夫 中田 秀基 関口 智嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.144-159, 2004-10-15
参考文献数
39
被引用文献数
7

Grid プログラミングモデルの1 つであるGridRPCの参照実装としてNinf-G2の開発を行い,性能を評価した.広域に分散した複数台のクラスタから構成される大規模Grid 環境上でアプリケーションを効率良く実行することを目的とするNinf-G2は,関数ハンドル同時生成機能やリモートオブジェクトを実装することで,遠隔手続き呼び出しにともなう起動コストや通信コストの低減を図るとともに,ハートビート機能や関数ハンドル作成タイムアウト機能,サーバ属性の個別設定機能を提供することで,非均質,不安定で動的に変化するGrid環境への対応を図っている.典型的なタスク並列アプリケーションである気象シミュレーションプログラムを対象に,6台のクラスタから構成されるGridテストベッド上でNinf-G2の性能評価を行った.その結果,個々のタスクの実行時間が十数秒から数十秒程度の比較的粒度の小さいシミュレーションであっても,200台以上のプロセッサを用いて効率的に実行可能であることが分かった.A high performance GridRPC system called Ninf-G2 has been developed and its performance was evaluated. Ninf-G2 aims to enable applications to run efficiently on a large scale Grid environment which consists of clusters widely distributed over a network. It tries to reduce costs for start-up and communication by simultaneous function handles creation function and remote object mechanism. In addition, it tries to cope with heterogeneous, unstable, and dynamically varying grid environment by heart-beat monitoring function, timeout mechanism in creating function handles, and methods to specify server-dependent attributes. Using 6 distributed clusters, performance of Ninf-G2 was evaluated by running an atmospheric simulation program which is a typical task parallel application. Good performance was attained on a grid environment with more than 200 processors even in the case of applications having many small grained tasks.
著者
今村 俊幸 村松 一弘 北端 秀行 金子 勇 山岸 信寛 長谷川 幸弘 武宮 博 平山 俊雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.22, pp.49-54, 2001-03-08

世界各国の計算機資源のみならず様々なネットワーク上の装置を有機的に結合し,一つの仮想計算機システムを構築する試みとしてメタコンピューティングが提案されている.日本原子力研究所では,これまで所内LANでの仮想計算機上を構築し数値アプリケーションの実験を行ってきたが,さる2000年11月アメリカ,ダラスにて開催された国際会議SC2000期間中に日独米英4ヶ国のスパコンを結合して世界規模での実験の試みに成功した.本実験では,放射線情報推定システムを題材として世界5機関の並列計算機を利用し最大計510CPUの仮想計算機の構築並びに,仮想計算機上での計算を行った.また,計算と同時に仮想計算機から大気中に放出された放射性物質の拡散過程を可視化することも実施した.本報告では,世界規模での実アプリケーションの実験の概要とその結果についてまとめる.Metacomputing, which enables us to construct a virtual computer system with some computer resources or experimental devices via internet connection, was proposed. Japan Atomic Energy Research Institute, JAERI, also continued to carry out several numerical simulations on a virtual computer system even though it was restricted in the JAERI's LAN. At SC2000, we had an opportunity to construct a worldwide virtual supercomputer with help of several supercomputer centers at Germany, US, UK and Japan, and we succeeded to execute a "Quick responsible source estimation system" with 510 processor units on 5 sites. Furthermore we demonstrated a real-time visualization for the dispersion process of radioactive particles released into atmosphere. In this report, we summarized the result of worldwide metacomputing experiment.
著者
木野 千晶 鈴木 喜雄 宮村(中村) 浩子 武宮 博 中島 憲宏
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.20090022-20090022, 2009-11-17 (Released:2009-11-17)
参考文献数
11

流体・構造・化学反応など様々な物理的・工学的現象を考慮した大規模数値シミュレーションの必要性・重要性は年々増している.大規模・複雑な数値シミュレーションからは膨大なデータが出力されるのに対し,そのデータ解析に投入できる計算機資源や研究者の認識能力には限界がある.そのためデータ全体を様々な観点から多角的に精査することは困難であり,研究者は着目すべき領域や現象を絞って可視化・解析するなど解析対象を取捨選択する必要がある.このような解析対象の取捨選択は,見落としや誤認など多くのヒューマンエラーを発生させる要因となり,大規模・複雑な数値シミュレーションを実施するに当たって大きな課題となっている.著者らはこのような大規模・複雑データ解析を支援するために,“認識能力を備えたデータ解析システムCognitive methodology based Data Analysis System (CDAS)”を開発している.CDASは「ある気泡周辺領域における全体平均速度より高い速度領域が発生している」や「応力が集中し,その最大応力が材料の降伏応力を超える領域が存在する」などの物理的・工学的意味を発見・抽出するデータ解析プロセスをデータベースに蓄えておき,それらを実行することでユーザーに物理的・工学的意味を伴ったデータ解析結果 (物理的・工学的情報) を提示するシステムを目標としている.CDASを開発することで,ユーザーは自身が指定した観点からの物理的・工学的情報に留まらず,異なる観点から解析された多種多様な物理的・工学的情報を知ることが可能となる.このような多角的な解析は,見落としや誤認などのヒューマンエラーを防ぐ上で重要であると考えられる.CDASを実現するには,様々な解析体系において実施された数値シミュレーションの結果データに含まれる物理的・工学的意味を,汎用的に処理する能力 (認識能力) を備える必要がある.ここで「認識能力」とは,意味情報を整理・検索・共有・生成し,生成された意味情報を再利用できる能力を指す.数値シミュレーションの結果データは解析体系・条件,物理量データに関する単なる数値の集合に過ぎない.このような数値集合から物理的・工学的意味を発見・抽出するには,数値情報に対しシステムに認識可能な形式で意味情報を付加する方法論を確立する必要がある.本論文ではシステムによる物理的・工学的意味情報の整理,検索,共有に留まらず,生成,再利用までを可能とするための科学概念語彙(Scientific Concept Vocabulary : SCV)情報モデルを提案している.本モデルでは,科学的知識を科学的知見・科学的情報・科学概念という階層構造によって捉えている.科学的知見とは自然現象に見られる様々な特徴を把握・理解するための情報である.この科学的知見を積み重ねることで科学的知識が構成されていく.科学的情報とは「ある観測対象が,ある観測空間における時空間分布情報」と定義され,科学的知見はこの科学的情報を分析することで得られる.この科学的情報は科学概念によって構成されたものであると捉え,この科学概念をシステムが数値的に扱えるようにするため,その意味を定義する具体的な実体データを付して記述することができるように科学概念語彙を提案した.科学概念語彙では概念の持つ物理的・工学的意味情報が数値データやアルゴリズムによって,その概念が持つ意味に即した実体データによって定義されている.よって,この実体データを用いてシステムによって新たな物理的・工学的意味果 (実体データ) を生成することが可能となる.この新たに生成された物理的・工学的意味果 (実体データ) もまた科学概念語彙情報モデルの枠組みの中で記述されることで,その生成された意味を再利用し,さらに新たな物理的・工学的意味果 (実体データ) を生成することも可能とする.本論文では科学概念語彙を用いて上昇気泡流解析および原子炉内熱流動解析に適用し,「接近した気泡」や「燃料棒周辺における液膜破断」などの物理的・工学的意味を持った情報の抽出に成功した.これにより本モデルを用いることによって,数値シミュレーション結果より物理的・工学的情報を発見・抽出するシステムの実現は十分に可能であると言える.