著者
桑原 大志 高橋 淳 高橋 良英 中島 永美子 藤井 昭 久佐 茂樹 大久保 健史 藤野 紀之 野里 寿史 疋田 浩之 小堀 敦志 武居 明日美 佐藤 明 青沼 和隆
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.3-9, 2011 (Released:2011-08-02)
参考文献数
9

【目的】高齢者における心房細動(AF)カテーテルアブレーション治療の成績,手術合併症,長期予後を明らかにする.【対象】当院でAFカテーテルアブレーション治療を施行した75歳以上の102例(男性73例,発作性79例).【方法】肺静脈隔離と非肺静脈由来のAF起源焦点アブレーションを基本とし,必要に応じ左房後壁隔離などを追加した.【結果】肺静脈隔離などの一般的治療のみを施行された患者が95例(93%)であった.手術重大合併症が1例(心タンポナーデ1例)に発症した.アブレーション後937±598日の経過観察において,95例(93%)で洞調律が維持された.死亡,新規脳梗塞発症,心不全による入院の複合エンドポイント回避率は,アブレーション後洞調律を維持している患者で高値を示した.【結論】75歳以上のAF患者に対するカテーテルアブレーション治療は,安全に施行可能であり,その後の洞調律維持効果も十分高く,長期予後改善効果も認められた.