著者
西野 浩明 武方 一馬 賀川 経夫 宇津宮 孝一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.519-533, 2006 (Released:2007-04-20)
参考文献数
34
被引用文献数
2 4 4

本論文では, 3次元物体の触知を可能にする触力覚装置の最適化を, 対話型進化計算 (IEC) で支援する手法を提案する. 提案手法は, 利用する装置に関する知識やプログラミング技能を要せず, 触力覚技術に不慣れな利用者でも, 自身がイメージする触感を直観的に作成することを可能にする. 利用者は, 計算機が提示する複数の触感つき3次元モデルに触 (さわ) りながら, 自身の好みで適合度を与える. それに対して, システムが遺伝的アルゴリズムを用いて, 利用者から与えられた適合度を基にモデルの触感を進化させる. この「利用者評価とモデルの進化」を利用者が満足する触感が得られるまで繰返す. さらに, IECによる触感生成法と従来型の手動式パラメータ設定法を実装し, 比較実験をとおして提案手法の有効性を検証した.