著者
凍田 和美 宇津宮 孝一 西野 浩明 善岡 賢二 倉岡 大輔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.96, no.390, pp.41-46, 1996-11-22
参考文献数
7
被引用文献数
5

我々は, 電子グローブに, 人が手を使って3次元空間に表現する, ジェスチャ, 位置指示, 大きさ表現の3つの動作に基づいた基本機能を用意した。この基本機能を用いて実現した仮想造形環境は, 簡略化した形状の物体を, 手で直接作成するより, 繁雑で, 多くの労力と時間を必要とする仮想空間の作成を容易にする。本稿では, 両手電子グローブの3つの基本機能とそれを用いた仮想造形システムの概要, 仮想打上げ花火システムへの適用, および, 本インタフェースの検討を述べる。
著者
宇津宮 孝一
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

生産現場では,バーチャルリアリティ(VR)技術を用いて,設計・製作対象の共有や3次元的操作,臨場感のある3次元表示.模擬実験等を通じて,現場と同じ感覚で「もの」を創造できる,情報通信技術に基づいた仮想作業場の提供が,新製品早期開発のために強く要請されている。一方,構想設計段階で人間の両手が「もの」を表現・制作する過程は重要である。高精度センシング機能や触覚機能をもつ電子グローブ装置を用いて,手本来の表現能力を生かし,非専門家でも「体感経験」しながら「もの」の制作ができる人間指向インタフェースが求められている。本研究課題では,仮想環境でVRの空間インタフェース技術を用いて,もの造りを現実と同等に試行でき,その結果が実生産に直結できる協創型仮想ワークベンチの構成法に焦点を当てて,次の研究を実施した。(1) 実仮想統合設計生産モデルとその構成法遠隔地の人々が,高速ネットワークやVRの技術を用いて,現実には製作困難な製品などを仮想環境内で協同で創造し,実生産に継ぎ目なく移行できる実仮想設計生産モデルとその構成法について,打上げ花火の設計・製造過程を題材として取り上げ,VRを基盤にして研究を行った。(2) 3次元仮想造形用感覚機能統合型インタフェースの実現法人間が両手で行うのと同様な方法で,両手電子グローブを用いて仮想物体の造形と3次元物体の形状入力を直観的操作で行うための手法とその実現法について,主としてジェスチャインタフェースの研究を行った。(3) 協創型仮想環境の構築法両手ジェスチャインタフェースや象形的手振りを用いた大型画面上の3次元仮想環境を構築した。そして,現実世界では困難な作業を複数の人間が協同してやっていくことが可能な協創的な環境を試作し,幾つかの題材を用いて,試作した環境の有効性や効果について考察した。
著者
西野 浩明 宇津宮 孝一 吉田 和幸 賀川 経夫
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本課題では,「仮想と現実を継ぎ目なくつなげる仮想環境」を構成するために,「現実と仮想の間に人間が違和感を覚える境界」を明確化し,それに基づいて,利用者に違和感を与えないリアルな仮想環境を描出する手法に関して研究開発を行った。このために,人間の感性を利用してシステムの最適化を行う対話型進化計算法に,認知科学や免疫学等の知見を融合した仮想環境の構成法とソフトウエアを設計・開発した。また,仮想物体の質感表現,技能の記録と伝習など,利用者の違和感がシステムの機能・性能に大きく影響するような応用分野に提案手法を適用し,その有効性を実証的に評価・検証した。
著者
宇津宮 孝一 園田 修司 凍田和美 吉田 和幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.1172-1176, 1992-09-15
被引用文献数
3

複数のワークステーション上で 数人のグループメンバによる協同執筆や即時の協同作業を支援するために 既存のテキストエディタそのものには全く手を加えないで これをグループエディタ化するシステムGEE(Group Editor with Existing editors)をXウィンドウシステムを用いて実現した.GEEは グループウェアとしてのグループエディタの導入 使い慣れた既存エディタ機能の従来どおりの活用 およびグループでの共有文書の編集や協同作業を容易にする.本論文では GEEの設計と実現について述べる.
著者
西野 浩明 武方 一馬 賀川 経夫 宇津宮 孝一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.519-533, 2006 (Released:2007-04-20)
参考文献数
34
被引用文献数
2 4 4

本論文では, 3次元物体の触知を可能にする触力覚装置の最適化を, 対話型進化計算 (IEC) で支援する手法を提案する. 提案手法は, 利用する装置に関する知識やプログラミング技能を要せず, 触力覚技術に不慣れな利用者でも, 自身がイメージする触感を直観的に作成することを可能にする. 利用者は, 計算機が提示する複数の触感つき3次元モデルに触 (さわ) りながら, 自身の好みで適合度を与える. それに対して, システムが遺伝的アルゴリズムを用いて, 利用者から与えられた適合度を基にモデルの触感を進化させる. この「利用者評価とモデルの進化」を利用者が満足する触感が得られるまで繰返す. さらに, IECによる触感生成法と従来型の手動式パラメータ設定法を実装し, 比較実験をとおして提案手法の有効性を検証した.
著者
宇津宮 孝一 西野 浩明 吉田 和幸 賀川 経夫
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

いつでも,どこでも,何にでもつながるユビキタスなネットワーク環境において,モノとモノとの実物系センサネットワークとインターネットとを相互接続し,複合現実感技術を用いて実空間と仮想空間とを融合した新たなユビキタス環境内で,移動体が協調しながら作業をしていくことを可能にするためのアドホックセンサネットワークの構築法を考案した。
著者
吉田 公晴 森 陽一 西野 浩明 宇津宮 孝一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.220-221, 1997-09-24

製造分野における新製品の開発には, 試作品の製作と評価, およびその改良を繰り返し行うプロトタイピングに多くの時間と労力を要する。例えば, 新作花火の製造に関して言うと, 花火の制作時には乾燥に多くの時間を要する。また, 火薬を使用するので, 繰り返し作業をするほど危険度が増す。そこで我々は, 一連の花火の作業工程(設計, 試作, 打上げ)をVR (virtual reality)技術を用いて再現することにより, VRの問題点の洗い出しを行ってきた。本稿では, 仮想打上げ花火システムにおける3次元空間での視点移動機能などについて述べる。
著者
副島 匡暢 宇津宮 孝一 肥川 宏臣 児玉 利忠
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.273-274, 1992-09-28

マルチロボットによる協調問題の研究は、人工知能やロボティクスなどのさまざまな分野で豊富な概念試行の環境を与えている。近年、マルチロポットを用いた研究は盛んであるが、これらの研究の多くは仮想環境による概念シミュレーションによるものが多い。これは、適切なハードウェアが使用できないことや、リアルタイム性の高い実験が難しいことによる。完全なロボットシステムは複雑であり、必要なハードウェアの開発もかなりの時間を要する。以上のことを踏まえて、我々はマルチロボットシステムのテストペットとして、Gung-Ho("work together"の意味)システムを構築している。このシステムは、協調動作の基本概念を評価するためのマルチロボットシステム開発を支援するものである。特に、Gung-Hoシステムでは、ロボットの制御にUNIXワークステーションを利用することにより、UNIX上のソフトウェア開発ツールやマルチタスク機能、TCP/IPやXウィンドウシステム等のネットワークコミュニケーション機能やユーザインタフェース機能などを最大限に利用できる。これらの環境により、マルチロボットシステム開発における仕様確認の迅速性や変更の柔軟性を達成することができる。