著者
千代 浩之 武田 瑛 船岡 健司 山崎 信行
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.2365-2377, 2011-08-15

本論文では,低ジッタと高スケジュール可能性を達成するために,準固定優先度スケジューリングを提案する.準固定優先度スケジューリングは,終端部分という第2の必須部分を有する拡張インプリサイスタスクの各々の部分を固定優先度でスケジュールする.また,本論文では,Rate Monotonic(RM)を基調とした準固定優先度スケジューリングアルゴリズムRate Monotonic with Wind-upPart(RMWP)とRMWP++を提案する.スケジュール可能性解析では,RMWPはRMでスケジュール可能なタスクセットは必ずスケジュール可能であることを証明する.さらに,RMWP++は,タスクの実際実行時間に依存せず,最短周期タスクのジッタを0に抑制可能であることを証明する.シミュレーションによる評価結果では,準固定優先度スケジューリングは固定優先度スケジューリングと同程度のスケジュール成功率を発揮するだけでなく,従来のスケジューリングよりジッタを抑制したことを示した.This paper proposes semi-fixed-priority scheduling to achieve both low-jitter and high schedulability. Semi-fixed-priority scheduling schedules the part of each extended imprecise task, which has a wind-up part as a second mandatory part, by fixed-priority. This paper also proposes two novel semi-fixed-priority scheduling algorithms based on Rate Monotonic (RM), called Rate Monotonic with Wind-up Part (RMWP) and RMWP++. The schedulability analysis proves that one task set is feasible by RMWP if the task set is feasible by RM. In addition, we prove that the shortest period task in RMWP++ has zero-jitter, regardless of its actual case execution time. Simulation results show that semi-fixed-priority scheduling has approximately the same success ratio as fixed-priority scheduling and lower jitter than existing scheduling.
著者
梅尾 寛之 水頭 一壽 武田 瑛 加藤 真平 山崎 信行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.464, pp.55-60, 2009-02-26

リアルタイム処理用プロセッサResponsive Multithreaded Processorは,スレッド数が8スレッド以内であればコンテキストスイッチを行わずに優先度順に同時実行可能なRMT実行機構を持つ.しかしながら,9スレッド以上を実行する場合,ソフトウェアスケジューラによってコンテキストスイッチを行わなければならない.また周期タスクのリリースの為にはソフトウェアスケジューラを定期的に呼び出し,リリース時間をチェックしなければならない.本論文では,RMT Processorを対象としたハードウェアによるスレッドスケジューリング機構の設計と実装について述べる.本スレッドスケジューリング機構では,RMT ProcessorのプロセッシングコアであるRMT PUが全スレッドの周期を保持し,周期スレッドをハードウェアで起床させる.更に,コンテキストキャッシュ内のスレッドと実行スレッドを比較し,ハードウェアでコンテキストスイッチを行う.本スレッドスケジューリング機構によってソフトウェアによるスケジューリングを不要とし,スケジューリングオーバヘッドを大幅に削減する.
著者
梅尾 寛之 水頭 一壽 武田 瑛 加藤 真平 山崎 信行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.22, pp.55-60, 2009-02-26

リアルタイム処理用プロセッサ Responsive Multithreaded Processor は,スレッド数が 8 スレッド以内であればコンテキストスイッチを行わずに優先度順に同時実行可能な RMT 実行機構を持つ.しかしながら,9 スレッド以上を実行する場合,ソフトウェアスケジューラによってコンテキストスイッチを行わなければならない.また周期タスクのリリースの為にはソフトウェアスケジューラを定期的に呼び出し,リリース時間をチェックしなければならない.本論文では,RMT Processor を対象としたハードウェアによるスレッドスケジューリング機構の設計と実装について述べる.本スレッドスケジューリング機構では,RMT Processor のプロセッシングコアである RMT PUが全スレッドの周期を保持し,周期スレッドをハードウェアで起床させる.更に,コンテキストキャッシュ内のスレッドと実行スレッドを比較し,ハードウェアでコンテキストスイッチを行う.本スレッドスケジューリング機構によってソフトウェアによるスケジューリングを不要とし,スケジューリングオーバヘットを大幅に削減するResponsive Multithreaded Processor for real-time processing can execute eight threads simultaneously in priority order without context switching. When over nine threads are executed, context switching is required. A real-time scheduler should be called periodically and release times of all tasks are checked. This paper proposes thread scheduling scheme for RMT Processor. RMT PU, which is processing core of RMT processor, holds the periods of all threads and starts threads by hardware without periodic calls of the scheduler. In addition, threads in context cache are compared with threads in execution, and context switching will be realized by hardware. Our thread scheduling scheme reduces scheduling overheads so that traditional software scheduling can be unnecessary.