著者
武田 靖
出版者
東京工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

鳥衝突データベースの解析を進めるために、前年度の米国、英国に、フランスとドイツを追加するべく、両国の担当者と交渉を行ってきた。入手は確約されたが、公式データベースとするための承認手続きが期限内に得られず、継続となった。後述のように、より多くの国のデータを解析することが要請され、ロシア、イタリア、ノルウェー等の欧州各国のデータベースも含めて展開することになった。またカナダのデータベースでは、高度の情報が一切含まれないという欠陥も見つけ、同国への勧告を発信した。(2)鳥分布関数の測定のために、米国イリノイ大学と共同研究をすすめ、ダラス空港(DFW)での新型鳥レーダーのデータ解析を共同で行うこととなり、一部の仮データを入手した。その結果、レーダでの観測は、空港直近での観測に誤差が大きいことが判明した。500フィート以上の高度でのデータを引き続き解析中である。(3)市販の3Dビデオ装置で取得したステレオ画像を解析することで、300m(1000ft)程度までの飛翔体の位置測定が十分可能であることを確認した。この技術を発展応用することで、空港での野鳥対策担当官による情報収集をより容易に、さらには高精度にすることが期待された。(4)鳥衝突世界大会(Norway)で研究成果の一部を発表・討論することで、より確度の高い理論研究とすることができた。特に大陸間での比較から、大陸や地域によらない、普遍性のある鳥衝突発生の高度依存性は各国の航空安全担当者の間での評価が高く、より多くの国を巻き込んだ今後の展開が期待された。
著者
村井 祐一 田坂 裕司 北川 石英 石川 正明 武田 靖 武田 靖
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

マイクロバブル混合液体の層流域から乱流域までのレオロジー特性を実験的に研究したものである.層流域では,非定常なせん断応力場において気泡形状と応力の関係に非平衡性が表れる場合,平衡を仮定した実効粘度よりも10倍以上大きな運動量伝達特性をもつことがわかった.遷移域では周波数の変調による乱流への初期遷移が抑制されることがわかった.また乱流域では乱流渦干渉による乱流エネルギー低下,気泡クラスタリングによる新しい境界層構造の出現や伝熱促進が観測された.
著者
武田 靖 村井 祐一 田坂 裕司
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

気流の空間的構造を定量計測するPIV(Particle Image Velocimetry)を技術開発することを目的とし3年間の研究の実施を通じて多面的な成果を上げた. 大規模な気流計測における主要な問題は, 環境負荷の少ないトレーサを開発すること, ならびに三次元非定常構造を定量捕獲するための光学設計, さらには速度ベクトルデータの高密度化であった. 平成18年度は, トレーサの開発としWatermist法, Soap Bubble法, ならびにTuft Resonance法について検討を行い, さらにPIVに適合したトレーサの注入方法を設計・検定した. これと同時に300m規模の大気流動場を三次元計測する問題点提起実験を実施した. 平成19年度は開発したトレーサ注入法と光学系を実例計測によりデモンストレーション実験した. 計測対象は竜巻のPIV計測, 樹木や鉄塔をモデル化した透過性物体の周囲空間流動のPIV計測である. 平成20年度は大気ダウンバーストを室内モデル実験置換し, カラートモグラフィックPIV技術の実証実験を実施した. これらの開発の結果, 従来まで低密度データの2次元計測に制約されてきた気流構造計測が, 3次元高密度データ取得が可能となるに至った. また応用実験から気流のもつ固有の流動場が新たに発見され, これらについてのダイナミクスを論文等で発表した.