著者
比江島 慎二
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

凧型の帆で風を捉えて帆走し,水流タービンで発電する帆走式洋上風力発電を提案する.水流タービンと帆にHydro-VENUS技術を導入し,帆走システム全体のエネルギー取得性能をシミュレーションして実現可能性を探る.発電電力は送電せずに浮体内に蓄電するため,遠洋の膨大な風力を利用した発電が可能になる.固定設置しないため漁業との競合もない.従来の洋上風力発電が,沿岸付近の微弱な風力しか得られず,漁業との競合で導入が進まないのに対してブレークスルーとなる.さらに,観測機器等を搭載して広範囲に配備すれば,洋上通信,防災観測,資源探査,海上監視等に利用でき,海洋空間の利用をこれまでになく活性化できる.
著者
比江島 慎二 高松 宏彰 大熊 広樹 上田 剛慈
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.24-34, 2017 (Released:2017-05-20)
参考文献数
13
被引用文献数
2

振り子の流体励起振動を用いた革新的な水流発電機を開発してきた.本研究では,円柱振り子の渦励振を用いた従来の方式に代わり,半円柱や半楕円柱の振り子に生じるギャロッピングを採用した新方式を提案した.この新方式において,半円柱振り子は円柱振り子の5倍,半楕円柱振り子は半円柱振り子のさらに2倍のエネルギー取得性能を発揮した.半楕円柱振り子の無次元仕事率は,低流速域では,振り子長さに関係なく一本の回帰直線に沿って無次元流速とともに線形的に増加し,高流速域では,無次元流速に対してほぼ一定値を示すことが明らかとなった.