著者
梶川 和武 西 翔太郎 中村 武史 毛利 雅彦 川崎 潤二 濱野 明 渡邉 俊輝 吉村 和正
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.68-70, 2017 (Released:2017-01-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

いわし棒受網漁業では,操業時に集魚した魚群を水中集魚灯周辺に滞留させる必要がある。本研究では,カタクチイワシ魚群が水中集魚灯(ハロゲン灯,LED灯)周辺の滞留時の分布位置を音響機器で計測した。さらに,本研究で定義したカタクチイワシの視感度に基づいた照度を用い,それぞれの灯具の海中の照度分布を算出した。魚群の分布位置と灯具の照度分布とを照合した結果,滞留時の魚群はそれぞれの灯具の等照度線に沿い,かつ,灯具が異なってもほぼ同じ照度域に分布した。この現象は本種の好適照度の存在を示唆するものと考えられる。
著者
毛利 雅彦 西田 勤
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 = The journal of the Shimonoseki University of Fisheries (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.1-11, 2000-10

まぐろ類の水平および鉛直方向の釣獲分布は、種間で異なることが知られている。まぐろ類の分布に影響をおよぼす要因は数多いと考えられるが、その分布域を広く網羅しかつデータ量の比較的多いものは、水温、塩分および溶存酸素量などがあるに過ぎない。以前著者らは、インド洋のメバチの分布と水温および溶存酸素量との関係を調べたが、本研究では、インド洋のキハダについて同様な関係を調べた。その結果、次のことがわかった。インド洋全域においてキハダの釣獲に適した水温は13-24℃であり、この範囲での平均釣獲率は5.0以上と高かった。海域別にみると、低緯度海域では釣獲率の高い水温の範囲が、同様に13-24℃であった。しかし、南半球の高緯度海域では、釣獲率の高い範囲が17℃以上と、低緯度海域よりも高温側に偏っていた。釣獲に必要な最小溶存酸素量は1ml/lであり、インド洋の北部ほど浅い層での溶存酸素量が少なく、160m以深でlml/l以下になっていた。