著者
水野 陽一
出版者
北九州市立大学法学会
雑誌
北九州市立大学法政論集 (ISSN:13472631)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.63-97, 2020-03

刑事手続における個人情報保護の必要性について、情報それ自体の価値、情報の取得の拒否についてはもちろん、当該情報を処理、解析して得られる結果の内容についても考慮した判断が行われる必要がある。更に、処理、解析結果を保存、事後的に運用することは、情報の取得それ自体、当該取得情報に対する処理、解析とは別種の侵害を対象者に与えることになることを意識した法的枠組みが設けられる必要がある。
著者
水野 陽一
出版者
北九州市立大学法学会
雑誌
北九州市立大学法政論集 = Journal of law and political science (ISSN:13472631)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.75-97, 2019-12

AIは、社会を大きく変革させるが、その危険性が看過されてはならない。AIによる自動化された判断の可否について、大量の情報取得、取得情報の処理、運用、判断結果の保存等、様々な段階における検討が必要。
著者
水野 陽一
出版者
広島大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

わが国において、被害者参加制度の導入以後、犯罪被害者に対して訴訟参加者としての地位が認められることになった。被害者保護の重要性について疑いはないが、一方で無罪推定原則が妥当するはずの刑事訴訟において、なぜ「被害者」という存在が観念されうるのか、といった問題もっとに提起されている。公判における被害者参加が、被告人の防御権に対して大きな影響を与えうるのだということを考慮に入れた上で、我々は刑事訴訟における被害者保護の充実を図ると同時に、それによって被告人の防御権が侵害されないように十分な配慮を図る必要がある。被害者には、本来犯人に対して刑罰の賦課を求めることが許されるものである。しかしながら、現行の刑事訴訟制度において、被害者に対して認められる権利は、公益の範囲内に限定されるものであるといえる。すなわち、被害者には公益を損なわない範囲で適正な刑罰権の執行を求めることが許されるものであるといえるが、当該権利が被害者の恣意的な意思に基づいて行使されることは許されない。また、刑事訴訟の目的は、現行制度において適正な刑罰権の執行であるとされるべきであり、現状において、刑事訴訟における被害者に対して行われるべきは、その損害回復に重点を置いた施策であるように思われる。この点について、ニュージーランドにおける修復的司法制度の議論に関わる研究が有益なものであり、被害者の損害回復にとって社会共同体の果たすべき役割が重要なものであり、被害者保護に関して、刑事訴訟外における制度的充実を図ることが重要であることを明らかにした。以上の成果を基礎として、来年度以降刑事訴訟における被害者の法的地位についての研究を更に深化させていく所存である。
著者
水野 陽一郎 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.598, pp.41-46, 2007-03-08

次世代移動体通信においてマルチホップ通信が注目されている.本稿では, MAI(Multi Access Interference)を低減する2つの提案方式によって,固定中継局(HS : Hop Station)を設置したW-CDMA 2ホップセルラシステムにおける上り回線システム容量を増大する. 1つ目の提案方式(RMTPC : Relay Multiplexing Transmission Power Control)では, HSで受信パケットを多重し,送信電力制御(TPC : Transmission Power Control)をする. 2つ目の提案方式(SDRTPC : Site Diversity with Relay Transmission Power Control)では,基地局(BS : Base Station)-移動局(MS : Mobile Station)/HS間のサイトダイバーシチにおいてHSでTPCする.計算機シミュレーションによって,これら2つの提案方式がシステム容量を増大するのに有効であることを証明する.