著者
佐川 尚子 鶴谷 悠也 野村 和至 奥山 朋子 近藤 真衣 佐田 晶 宮尾 益理子 水野 有三
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.581-585, 2014-11-25 (Released:2015-02-26)
参考文献数
14
被引用文献数
8 10

症例は83歳男性.29年来の2型糖尿病で当院通院中であり,グリメピリド0.5 mg内服にてHbA1c 6.0%前後,腎症1期で推移し,入院7日前の採血結果では,血清Cre 0.8 mg/dl(eGFR 69.67 ml/分/1.73 m2)であった.入院5日前に右眼瞼および結膜の炎症にて近医眼科を受診し,帯状疱疹が疑われ,バラシクロビル3,000 mgが処方され,頭痛が出現したため2日前にロキソプロフェン180 mgが処方された.入院前日より,構音障害,徘徊,食欲不振が出現し,Japan Coma Scale II-20程度の意識障害が進行したため2013年2月に入院となった.入院時,血清Cre 5.11 mg/dl(eGFR 9.16 ml/分/1.73 m2)と腎機能障害の進展を認め,頭部MRIや髄液検査では意識障害の原因となる有意な所見を認めなかった.多彩な中枢神経症状や内服歴から,バラシクロビルによるアシクロビル脳症を発症したと考え,血液透析を導入し,速やかな意識障害の改善を認めた.入院時の血中アシクロビル濃度が9.25 μg/mlと高値だった.アシクロビル脳症は腎機能障害者で発症することが多いが,高齢者では腎機能障害の指摘のなかった患者に発症した報告もある.バラシクロビルは帯状疱疹など高齢者で使用されることが少なくない薬剤であるが,それ自体により腎機能障害を引き起こし,中毒域まで血中濃度が上昇する危険があるため,高齢者に投与する際には十分な注意が必要である.
著者
佐々木 美保 宮尾 益理子 奥山 朋子 七尾 道子 越坂 理也 佐田 晶 石川 耕 水野 有三 熊野 宏昭 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.81-91, 2018-05-31 (Released:2019-04-05)
参考文献数
24

本研究の目的は、成人2型糖尿病患者の抑うつ・不安がセルフケア行動に及ぼす影響を検討することであった。外来通院中の2型糖尿病患者65名を対象に質問紙調査を実施した。階層的重回帰分析の結果、セルフケア行動のうち、患者の食事療法遵守行動は不安から有意な負の影響が認められた。また、フットケア遵守行動では、抑うつから負の影響が認められた。一方、運動療法遵守行動には抑うつ・不安いずれからも有意な影響性は認められなかった。抑うつ・不安の高い外来通院中の2型糖尿病患者には、食事療法やフットケアに関する療養指導に先立って、セルフケア行動遵守場面における抑うつ・不安が生じる際の対処行動について、行動分析によるアセスメントと介入を行っていくことが有効であると考えられた。

1 0 0 0 OA 骨粗鬆症

著者
折茂 肇 水野 有三
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-13, 1993-09-30 (Released:2011-12-05)
参考文献数
28