著者
水野 章二
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

里山を表示する制度的な用語は存在しなかったが、「後山」は中世初期から広くみられ、「向山」も史料・地名に多く確認できる、中世里山の一般的な表現であった。里山は交通・流通などの条件によっては、鎌倉期から開発が進んで酷使され、植生が貧弱な「野山」「無毛山」化する。里山は資源獲得だけでなく、牛馬放牧の場でもあったが、地形条件によっては屋敷林や平地林の形態をとり、水防・防風・防火などの多様な機能を果たした。
著者
水野 章二
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2000-09-25

新制・論文博士
著者
脇田 晴子 水野 章二 村井 康彦 西川 幸治 武田 佐知子 京楽 真帆子
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本研究は(1)巨大都市における居住形態・衛生・身体的状況の歴史的研究、(2)都市における信仰・宗教・祭礼・芸能の歴史的研究としているが、平成10年度に(2)を、11年度に(1)を中心として研究交流・共同調査を行った。フランス側からは、クラビッシュ・ズベール、P.スイリ-、M.コラルテル、A.ブッシイの諸氏を招き、国立歴史民族博物館、東京日仏会館、京都大学会館において、研究報告と討論を行い、続いて都市としての東京・鎌倉の考古学発掘と都市研究成果、続いて京都、奈良、今井町、日本のコミューンともいうべき郡中惣の現地である甲賀・伊賀・小倭地方、近江の堅田、安土城、彦根城などの現地調査を共同で行って討論した。パリで行ったシンポジュウムは、10年度は11月に日本文化会館で「都市における表象と社会」をテーマとして、P.ペルトン、鈴木正崇、武田佐知子、松岡心平、脇田晴子、P.スイリーの6人が報告した。11年度は9月に、パリ国立民族博物館において、シンポジュウム「都市における文化的環境の比較史研究」を開いた。考古学・平安京・中近世・近代の巨大都市にわかって討論し、佐原真、田中琢、M.コラルテル、長志珠絵、P.ローゼンタール、西川幸治、水野章二、橋本裕之、が報告した。司会者・ディスカッサントには西洋史・東洋史の専攻のフランス人を主として頼み、日本人のフランス研究者にも協力を仰いだので、広い問題の視野のなかで討論ができ、新たな視角をお互いに開拓し、日本史学の成果を提示できたと思う。コラルデル氏が20余年間発掘されたパラドリュ湖、コルチェル遺跡などの都市的集落・城砦の発掘現場、個人所有の城砦、原子力研究センターで原子力方法による修復研究所を訪問、研究の視角、方法、文化財の保存のあり方等について討論を行う事が出来た。申請したとおりの研究日程をこなし、予期以上の効果を挙げる事ができた。これらは成果報告書として提出するが、出版の予定も立っている。