著者
鈴木 則子 脇田 晴子 平 雅行 梅澤 ふみ子 久保田 優 武藤 武藤 三枝 暁子 成田 龍一 武田 佐知子 小林 丈広 白杉 悦雄 谷口 美樹 福田 眞人 脇田 修 濱千代 早由美 長 志珠絵 尾鍋 智子 菅谷 文則 山崎 明子 加藤 美恵子 栗山 茂久
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、日本の歴史のなかで女性の周縁化(地位の劣化)が進行していく過程を、女性の身体に対する認識の歴史的変化に着目しつつ、医学・衛生・宗教・地域・出産/月経という主として五つの側面から検討を加えた。伝統的医学と近代医学それぞれの女性身体観、近代衛生政策における女性役割の位置づけ、仏教と神道の女性認識の変遷、血穢などに対する地域社会の対応の形成等について明らかにしえた。
著者
武田 佐知子 脇田 修 脇田 晴子 高島 幸次 松浦 清 竹居 明男
出版者
大阪外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究会では平成14年〜17年の四カ年通して、聖徳太子信仰・天神信仰それぞれの歴史通貫的比較研究を行い、両者が何故に永く信仰の対象たりえたかを探ってきた。聖徳太子、菅原道真の両者はともに実在した歴史上の人物であり、しかも俗人の立場でありながら信仰の対象となってきた。また、時代を超えて長らく、現代に至るまで、上下を通じた諸階層の篤い信仰を得てきたという共通項がある。本研究会では十三回にわたる研究会を通し、各専門分野の研究者から太子信仰・天神信仰に関わる美術史的、文学史的、そして宗教史、芸能史的研究報告をいただいた。研究会ではこれらの報告を中心に、時代のニーズとともに変化する信仰の形態や、それに付随するイメージの付与、そして宗派や地域を越えて多面的に利用されるそれぞれの信仰の進化形について、活発な討論が行われた。また、六回の巡見を通して、巡見先各地での庶民の生活の中に定着した太子信仰、天神信仰を見ていくとともに、各地の歴史とそれらの信仰がどのように融合し、変容してきたのかを探った。注目すべきは、各地の真宗布教に付随して広がった太子・天神信仰であるが、この研究に関しては、高島氏・濱岡氏による考察が研究報告集に納められている。これらの研究会・巡見を経て、天神画像の蒐集し、新たな天神画像について検討を行った。最後に、まとめられた研究報告集では、当初からの課題であった「信仰の複合化」と「宗教的国際性」、そして「信仰の庶民受容」についての様々な論考を研究協力者に執筆いただいている。加えて、研究代表者である武田は、俗的権威の最高峰である天皇をも超越する神威、権威を持った聖徳太子・天神の新たな共通項を見いだし、今後の両信仰の研究に於いての新しい視点を切り開くことに成功した。

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著者
武田 佐知子
出版者
日本衣服学会
雑誌
日本衣服学会誌 (ISSN:09105778)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-5, 2013 (Released:2018-02-22)
参考文献数
4
著者
武田 佐知子 池田 忍 脇田 晴子 太田 妙子 堤 一昭 井本 恭子 千葉 泉 福岡 まどか 三好 恵真子 宮原 暁 住村 欣範 深尾 葉子 生田 美智子 松村 耕光 藤元 優子 宮本 マラシー 竹村 景子 中本 香 藤原 克美 古谷 大輔 村澤 博人 鷲田 清一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の成果は大きく分けて二つある。一つは、従来のカタログ的な着衣研究ではなく、個別地域の具体的な文脈から引き離さず、着衣、身体、女性の関係を読み解くための共通の枠組を構築し、ローカルな視点とグローバルな視点の接合によって開ける多様性のなかの着衣研究の可能性を提示したことである。男性身体の周縁に位置づけられた女性身体の可変性、着衣による身体のイコン化と増殖現象、共同体による着衣身体の共有と変換、ジェンダー秩序のなかで受容される女性身体の意味とその操作、そして既存の共同体の集合的に実践や意識/無意識が、視覚表象と深く関わり相互交渉がなされていることを明らかにした。二つめは、日本では「着衣する身体の政治学」と題し、タイでは「着衣する身体と異性装-日・タイの比較-」と題した国際シンポジウムを開催し、単に抽象的、モデル的に着衣研究の事例を理解するのではなく、現場に即した肌に触れる知を通して、実践知と暗黙知を提示したことである。
著者
脇田 晴子 水野 章二 村井 康彦 西川 幸治 武田 佐知子 京楽 真帆子
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本研究は(1)巨大都市における居住形態・衛生・身体的状況の歴史的研究、(2)都市における信仰・宗教・祭礼・芸能の歴史的研究としているが、平成10年度に(2)を、11年度に(1)を中心として研究交流・共同調査を行った。フランス側からは、クラビッシュ・ズベール、P.スイリ-、M.コラルテル、A.ブッシイの諸氏を招き、国立歴史民族博物館、東京日仏会館、京都大学会館において、研究報告と討論を行い、続いて都市としての東京・鎌倉の考古学発掘と都市研究成果、続いて京都、奈良、今井町、日本のコミューンともいうべき郡中惣の現地である甲賀・伊賀・小倭地方、近江の堅田、安土城、彦根城などの現地調査を共同で行って討論した。パリで行ったシンポジュウムは、10年度は11月に日本文化会館で「都市における表象と社会」をテーマとして、P.ペルトン、鈴木正崇、武田佐知子、松岡心平、脇田晴子、P.スイリーの6人が報告した。11年度は9月に、パリ国立民族博物館において、シンポジュウム「都市における文化的環境の比較史研究」を開いた。考古学・平安京・中近世・近代の巨大都市にわかって討論し、佐原真、田中琢、M.コラルテル、長志珠絵、P.ローゼンタール、西川幸治、水野章二、橋本裕之、が報告した。司会者・ディスカッサントには西洋史・東洋史の専攻のフランス人を主として頼み、日本人のフランス研究者にも協力を仰いだので、広い問題の視野のなかで討論ができ、新たな視角をお互いに開拓し、日本史学の成果を提示できたと思う。コラルデル氏が20余年間発掘されたパラドリュ湖、コルチェル遺跡などの都市的集落・城砦の発掘現場、個人所有の城砦、原子力研究センターで原子力方法による修復研究所を訪問、研究の視角、方法、文化財の保存のあり方等について討論を行う事が出来た。申請したとおりの研究日程をこなし、予期以上の効果を挙げる事ができた。これらは成果報告書として提出するが、出版の予定も立っている。