著者
永松 義博
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.191-196, 1986-03-31
被引用文献数
3

視覚障害者の公園利用について、具体的構想から、検討した。公園計画に当っては、視覚以外の「聴覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」の感覚器官を総合的に活用すること。歩行の手がかり、空間理解の手がかりを多く与えること。盲人の特徴に配慮を加えた遊具の開発、又はスポーツ、レクリエーション施設の導入といった点を基本に、考えてみたものである。
著者
永松 義博 岩渕 由生子 長澤 栄子
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.727-730, 2002-03-30
被引用文献数
4 4

視覚障害者の公園利用の状況,公園を利用するに際しての支障事項,また,どんな公園施設を望んでいるかを知るために,点字アンケートを行った。視覚障害者が利用している公園は自宅から容易に行ける場所にあり,多くの緑と広い空間があった。公園に行かない理由は,公園に行くまでの移動に危険がある,遊ぶ仲間がいないことなどがあげられた。視覚障害者が望む公園施設は,主に,散歩道,ベンチ,休憩所などであった。
著者
永松 義博
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.341-346, 1990-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
2
被引用文献数
5

社会福祉に対する関心が高まり, 街路空間, 歩行空間等の改善にもみられるように地域環境も整備されつつある。しかし視覚障害者にとっての配慮はまだ完全とはいえない。本研究では彼らの生活行動圏を拡大し, 単独歩行を可能とする都市環境形成の計画指針を得ることを目的とし, 盲人施設を対象に日常生活での利用施設, 視覚障害者対策設備の利用, 点字ブロック, 音響信号機に関する意識調査を実施した。日常生活では商業施設への利用が高く, 次いで文化教育施設である。公共施設では市役所, 福祉事務所等の訪問度が高い。視覚障害者が横断歩道を見つけるための手段として, 音響信号機点字ブロックといった設備が重要な役割を果たしている。
著者
永松 義博
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.346-352, 1993-03-26 (Released:2011-07-19)
参考文献数
3

九州地方に残つている古庭園 (上古~江戸時代までの226庭園) の現地調査を実施して, 造園手法の特徴について調査した。多くの庭園は江戸時代の中, 末期に造られており, 上級武士, 藩主所有の庭園が極めて多く存在している。その背景には産業交通の発達, 参勤交代の制による文化の興隆があったと考えられる。九州地方には庭園が集団として残る13地区があり, その庭園群区にそれぞれの特徴をみることができた。庭園様式では, 池泉回遊, 池泉定視の様式をもつた池庭が多い。池泉への導水は (1) 山畔を利用 (2) クリークを利用 (3) 河川を利用 (4) 伏流水を利用 (5) 湧水利用の手法が採られている。枯山水式の庭園は, 特に沖縄と鹿児島地方にみられ, この様式は江戸時代に出現している。
著者
永松 義博
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.1-9, 1985-08-19 (Released:2011-07-19)
被引用文献数
2 4

点字調査により, 戸外での運動, 遊びの領域等について調査を行なった。彼らの戸外活動への志向性は高く, 組織的で活動的なスポーツが好まれ, 盲児ではリズム的な要素や触覚的な遊器具を使っての遊びが大半となる。盲人女了では消極的な態度がみられ, 室内での遊びが多い。彼らの活動の場としては盲人施設, 盲学校校庭といった身近かな周辺空間であり, 基本的には友人との交友を伴って遊びが展開されていることが理解される。
著者
永松 義博
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.265-270, 1992-03-31
被引用文献数
6

身体的にハンディキャップをもった人々の公園利用への関心が高まり,設計基準等も整備されつつあるあるが,視覚障害者にとっての配慮は,まだ完全とはいえない。快適に適応できる屋外遊び空間(盲人公園)を計画していくための手ががりを得ることを目的として,盲学校生徒の余暇活動の実態を明らかにした。盲学校のクラブ活動では,盲男子は活動的で組織的なスポーツに人気が高く,盲女子では文化系クラブの入部が多く,直接実生活と結びついた活動が目立っている。彼らの戸外活動への関心は高いものの,積極的な余暇時間の活用はみられず,余暇活動として発展していない点が指摘される。
著者
永松 義博 日高 英二 中野 功二
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.149-152, 1996-03-29

視覚障害者の友人関係について調査した。盲学校での校内友人数は4〜6人の割合が高い。弱視者,寄宿舎生の友人数は多くなる傾向にある。盲女子は友人数が少ないといった男女差がみられた。同学級,同寮であること等,接触の機会が友人関係成立の大きな要因となる。また同性であること,同級生,同程度の視力者によって友人構成がなされている。健常者の友人をもつものは弱視者,準盲者の男子に多くみられた。その数は1人もしくは2人である。成人の健常者を友人|こもつ機会は男女共にサークル活動の場を通じてが最も多いため健常者との交流の機会や場所の提供が今後の重要課題になる。