著者
永田 明徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = THE JOURNAL OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFOMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.142-146, 2008-02-01
参考文献数
23
被引用文献数
2

人間同士がコミュニケーションを行うとき,相手の頭部の動きと眼球運動からなる視線の位置や表情など,音声以外の様々な視覚情報が重要となってくる.また,マガーク効果などに見られるように,発話時の視覚情報である口の形状と音声による聴覚情報とが矛盾する場合,視覚情報が優位となることも知られている.ここでは,人間とコンピュータがより自然なコミュニケーションを行う際に重要となる顔から得られる視覚情報を中心とした様々な非言語情報について概説し,顔の表情や発話時の顔の生成について紹介する.
著者
永田 明徳 金子 正秀 原島 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.1266-1272, 1997-08-25
被引用文献数
22

顔画像の印象を解析するための手法はいまだ確立していない. これは"顔の印象"が, 人の頭の中で形成されており, 感性的な側面を強くもっているためである. 本論文では, 顔が集団としてもっている印象, すなわち, 顔グループを形成したときにそこに生じる印象を客観的に捉えるために, 平均顔を用いる手法を提案する. また, この平均顔を用いて主成分分析により顔空間を構成し, その空間内での顔画像表現の可能性を探る. 具体的には, まず平均顔で張られる空間内で特定の集団の顔を他集団から判別できることを確認した. 次に, 顔空間表現の一つの例として, 平均顔空間上に得られたパラメータを変化させて画像を作成した. これらの手法を応用することで特定の画像について印象の分析を行う, あるいは顔画像に印象を付加することが可能となる.
著者
永田 明徳 岡崎 透 崔 昌石 原島 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.1230-1235, 1996-07-25
被引用文献数
41

顔は個人の特徴を表す多くの情報を含んでいる. 顔面像をパラメータで表現することができれば, さまざまな応用を考えることが可能となる. 本論文では, 顔画像にワイヤフレームモデルをあてはめ, 顔画像における形状情報と, 濃淡情報を分離し, 主成分分析の手法を用いて, 直交した顔基底を求めた. この顔基底を用いることで顔画像の効率的な空間パラメータ記述が可能となる. また, 本論文に示す手法は顔画像の分析のみではなく, 得られたパラメータからの顔画像の再合成が可能である.