著者
鈴木 友美 廣瀬 幸美 永田 真弓
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-7, 2016-03-20

学童期の超重症の子どもを育てる母親への支援に関する看護の示唆を得るため、超重症の子どもが日中一時支援施設に通所している母親の体験を明らかにすることを目的に、母親3名を対象に半構成的インタビューを実施し、質的分析を行った。その結果、日中一時支援施設に通所する学童期の超重症の子どもを育てる母親の体験として【超重症の子どもの人生の重みを感じる】【超重症の子どもの生と死にまつわる罪責感がある】【超重症の子どものいる子育てに否定的な自分がいる】【通所を通じて学童期に入った超重症の子どもとの生活に前向きになる】【超重症の子どもと日中一時支援施設での関わりを通じて子どもの生が意味づいていく】が抽出された。学童期の超重症の子どもを育てる母親にとって、(1)移動支援による長時間レスパイト、(2)超重症の子どもと家族の人生を支える日中一時支援施設のスタッフの存在が重要であることが示唆された。
著者
佐久間 尋子 廣瀬 幸美 藤田 千春 永田 真弓
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.61-67, 2013
参考文献数
9

本研究では、幼児期のASD児を持つ母親が、児の食事に関してどのような認識を持ち、対処をしているのかを明らかにすることを目的とし、7名の母親を対象に半構成的面接調査を行った。その結果、認識として【食事状況に対する敏感さ】【偏食の多様性】【食べ方の未熟さ】の3つのカテゴリーが、対処として【食事マナー獲得への対処】【栄養改善を図るための対処】の2つのカテゴリーが抽出された。【食事状況に対する敏感さ】や【偏食の多様性】、【食べ方の未熟さ】はASD児の特徴であるこだわりや過敏性によるものと考えられた。【食事マナー獲得への対処】は、集団生活に向けての母親の対処と考えられ、【栄養改善を図るための対処】は、健康的な成長を望む母親の工夫であると考えられた。母親は児の特徴に合った対処を行っており、これらは栄養改善を図っていくために重要なことであり、専門職が母親の対処を支持し継続を促していくとともに、食事に関して情報提供できる体制を充実させる必要性が示唆された。