著者
永野 航太郎
出版者
九州工業大学
巻号頁・発行日
2022-03-25

九州工業大学博士学位論文 学位記番号: 情工博甲第364号 学位授与年月日: 令和4年3月25日
著者
永野 航太郎 長尾 勇平 尾知 博
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J104-B, no.10, pp.772-782, 2021-10-01

無線センサネットワーク等におけるノード間の高精度な時刻オフセット推定及び同期は,正確なデータ解析のための重要な課題である.一方,従来の高精度時刻同期手法は,無線センサネットワーク等の膨大なノードが参加するネットワークにおいて時刻同期のために大量の情報通信を要したり,同期を主導する時刻同期サーバが必要とされたりする問題がある.本論文では,時刻同期のための同期通信パケットを削減し,無線LANにおける高精度な時刻オフセット推定及び同期をソフトウェアにより実行する手法を提案する.具体的には,APから定期的に送出されるビーコンパケットに含まれるTSF (Timing Synchronization Function)タイムスタンプ値の増分に対して,各ノードが自身のローカルクロック増分値との近似回帰直線を算出し,マスタノードから回帰直線係数を送信する.また,提案手法について,計算機シミュレーションによりその精度と有効性を評価する.加えて市販無線LANアクセスポイント等を用いた実機実験により,従来手法よりも少ない情報量・通信でサブマイクロ秒オーダの時刻同期精度を実現できることを示す.