著者
江原 宏幸 押切 正浩 山梨 智史 森井 利幸 佐藤 薫 吉田 幸司
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.196-207, 2008-04-01
参考文献数
28

変換予測符号化に基づく32kbit/sのスケーラブル符号化方式を開発した。本方式では,広帯域(0.05〜7kHz)の入力信号の線形予測分析・符号化を行い,変形離散余弦変換を用いて予測残差信号の符号化を行う。高品質な電話帯域(0.3〜3.4kHz)の音声符号化方式に1,2kbit/sの帯域拡張と4kbit/s刻みの変換符号化を組み合わせた。電話帯域の音声符号化は6.8kbit/sの符号励振線形予測符号化で行い,G.729 Annex E(11.8kbit/s)相当の品質を達成した。更に,8kbit/sでG.722,2(8.85kbit/s)相当の広帯域品質を達成し,音楽信号に対してはG.729.1を上回ることを確認した。