著者
橋本 知幸 江口 英範 松永 忠功 紅谷 一郎 伊藤 弘文
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.65, 2011

ヒョウヒダニアレルゲン(Der 2)量によってダニ汚染度を簡易判定する「マイティチェッカー&reg;」の測定精度について、実際の室内塵を用いて検証した。室内塵は東京都1区内の幼稚園及び保育園より掃除機を用いて、1m<sup>2</sup>から1分間かける方法で、計101検体を採取した。室内塵は秤量して、マイティチェッカー&reg;の測定手順に従って、抽出・判定した後、その抽出液上清をELISA法によるダニアレルゲン量測定用に、残渣をダニ数カウント用に供した。マイティチェッカー&reg;の判定(4段階;-、±、+、++)は同一の反応結果を6人が干渉しないように同時に行った。アレルゲン量測定はIndoor Biotechnology社製測定キットを用いてサンドイッチELISA法によりDer p 1量、Der f 1量、Der 2量を測定した。 6人の判定が全員一致したのは101検体中44検体で、判定が「++」および「-」の時に一致度が高かった。また各スコアに対するDer2量の幅は、「-」が0~34.7ng/m<sup>2</sup>(平均8.43ng/m<sup>2</sup>)、「±」が8.22~479ng/m<sup>2</sup>(平均36.4ng/m<sup>2</sup>)、「+」が11.7~3,160ng/m<sup>2</sup>(平均353ng/m<sup>2</sup>)、「++」が27.5ng/m<sup>2</sup>~3,160(平均936ng/m<sup>2</sup>)であった。 ヒョウヒダニ数、ダニアレルゲン量、マイティチェッカー判定結果それぞれの相関性をスピアマン順位相関係数により確認したところ、いずれも高い相関(r=0.63~0.96)を示した。マイティチェッカー&reg;はDer2と特異的に反応するものであるが、実際の室内塵ではDer1量とDer2量の間にも高い相関が見られることから、ヒョウヒダニアレルゲン簡易検査法として有用であると考えられた。
著者
紅谷 一郎 伊藤 弘文 江口 英範 松永 忠功 橋本 知幸
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.66, 2011

これまで幼稚園及び保育園についてのダニ調査報告が少ない。そこで東京都1区内の幼稚園及び保育園より室内塵を採集し、ヒョウヒダニ数及びダニアレルゲンの調査をするとともに学校などでダニ検査事例が比較的多い7月~9月の時期にヒョウヒダニ数やダニアレルゲンがどのように変化しているか検証した。室内塵は、掃除機を用いて1分間かけて1m<sup>2</sup>から採取し、幼稚園では7月、8月、9月それぞれ1回ずつ、保育園では8月に1回実施した。全部で101検体の室内塵を採取した。採取した全ての室内塵についてヒョウヒダニ数とELISA法によるダニアレルゲン量の測定、マイティチェッカー&reg;によるダニアレルゲンレベル判定を実施した。マイティチェッカー&reg;の手順に従い、採集した室内塵をPBS-T10mlに浸漬・抽出し、アレルゲンレベルの判定を行った後、抽出液上清をELISA測定用に、残渣をダニ数カウント用に供した。上清中のアレルゲン量は、Indoor Biotechnology社製測定キット(標準抗原はUniversal Allergen Standard)を用いてサンドイッチELISA法によりDer p 1量、Der f 1量、Der 2量を測定し、残渣は全てろ紙上に展開してダニを計数・同定した。ヒョウヒダニ数は101検体中70検体が10匹/m<sup>2</sup>未満であり、学校環境衛生の基準100匹/m<sup>2</sup>を超える検体は6検体であった。100匹/m<sup>2</sup>以上であった採取場所の材質は6箇所ともカーペットだった。ダニアレルゲン量はDer 2量<Der 1量、Der p 1量<Der f 1量の傾向があった。7月、8月、9月に同じ場所から採取した室内塵のデータを比較した結果、ダニ数では7月<8月、8月<9月、ダニアレルゲン量では8月<9月という傾向が認められた。
著者
菅沼 一男 平林 茂 金子 千香 高田 治実 江口 英範
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.163-167, 2016 (Released:2016-03-05)
参考文献数
16
被引用文献数
3

〔目的〕理学療法学科1学年女子学生における精神的健康度と大学生活不安との関連を調査すること.〔対象〕平成27年2月に1学年に在籍する4年制大学の理学療法学科女子学生44名であった.〔方法〕コーネル・メディカル・インデックスによる精神的健康度と大学生活不安尺度を調査した.〔結果〕CMIにて32%の学生が神経症またはその可能性ありと分類され,これらの学生は,CLASの日常生活不安,評価不安,大学不適応感,総合点のすべてにおいて正常群と比べて有意に高値であった.〔結語〕神経症傾向の学生は,対人関係,学業成績,大学への適合感,就職について不安感を持つ学生が多い.このため,早期に良好な対人関係を作られる援助,職業意識を高める指導など不安を軽減させるための対策が必要である.