- 著者
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大原 一興
藤岡 泰寛
江水 是仁
- 出版者
- 一般財団法人 住総研
- 雑誌
- 住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, pp.179-188, 2020 (Released:2020-06-01)
山間にある長野県阿智村清内路集落では,集落中心部には耕地が確保できないため,日当たりの良い斜面の高地に耕作地を求め,そこに夏の間一定期間過ごす「出作り」をしてきた。この風習の現代的な継承のために,経験者による「語り部」の可能性とエコミュージアムの仕組みが考えられる。現在では本来の出作りも語り部もほとんど消滅している。この数年の出作りの家の動向について記録しリストを再整理し,とくに山の家と里の家の距離やコミュニティ関係など,二拠点居住のもつ意義についても考察した。また,その地域文化の伝承を進めるために語り部に対するエコミュージアムの役割についても考察した。