著者
坂田 霞 薮田 ひかる 池原 実 近藤 忠
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

地球誕生後まもなく形成し今日に至り広く分布する海洋地殻は,地球最古の生態系が存在する環境として着目されていると同時に,初期地球,また地球外惑星における生命存在可能性についての示唆を与える(Edwards et al. 2012).海洋地殻では,海底下を循環する海水と岩石との反応で溶出した様々な元素を栄養源とする微生物が存在すると考えられ(Edwards et al. 2005),そのような岩石-水プロセスが観察できる,貧栄養,低温(10-15℃),速い海水循環が特徴的な北大西洋中央海嶺西翼部North Pondでの地下生命圏探査を行った。本研究では,玄武岩掘削試料中の微生物活動の記録を明らかにする目的で有機物の検出と炭素同位体分析を試みた。
著者
清川 昌一 伊藤 孝 池原 実 山口 耕生 堀江 憲路 菅沼 悠介 尾上 哲治 奈良岡 浩
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は32-30億年前の太古代中期海底堆積物と22億年前の原生代堆積物をターゲットにし,地球の歴史上最も変化が大きいとされる環境変化の記録を地層から紐解いた。1. ピルバラにて地層掘削を行い200mの32億年前の縞状鉄鉱層の掘削に成功した.世界初,この時代の新鮮で連続性の良いコアを獲得した.2.同地区の縞状鉄鉱層の掘削現場の側方層序比較し,比較的浅い海の堆積物であることがわかった.3.掘削コアの化学分析:当時の海の硫黄同位体が現在と類似し,すでに酸素を供給するシステムの可動が確認できた.4.ガーナ,ベリミアン帯において,原生代の海底の証拠地層を復元し,海洋性島弧近傍環境を復元した.