著者
丹後 俊郎 山岡 和枝 緒方 裕光 池口 孝
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

「ごみ焼却施設からの距離」をダイオキシン類への曝露の主要な代替変数としたごみ焼却施設周辺の疾病の超過リスクの検出に関して、本研究では、(1)焼却施設の位置を既知としてその周辺の超過リスクを検出する方法(Focused test)と、(2)焼却施設の位置を未知として、超過リスクが生じている「場所とその周辺」を特定する方法(Global test)を検討してきた。前者については、すでにStatistics in Medicine(2002)に報告し、かつ、周辺地域のがん死亡率の経年的変化に基づく新しい健康影響評価のための方法を、施設からの方角など距離以外の要因も考慮に入れた柔軟な統計モデルを英国王立統計学会主催の国際統計学会(2002)で発表(招待講演)した。後者の方法については、Connecticut大学の生物統計学科Kulldorff助教授との共同研究により,昨年度までに提案した方法と他の方法,Kulldorffのspatial scan statisticとBonetti-Pagano's M statisticsとの検出力の総合的な比較を行い、その結果はComputational Statistics and Data Analysis(2003)に掲載された。本研究で検討した統計モデルの応用として,ごみ焼却施設周辺の乳児死亡への影響の解析に適用するとともに、ごみ焼却施設とは異なるものの単一汚染源への応用例として、原子力発電所周辺の周産期死亡データの解析例を示し、その応用可能性を検討した。