著者
丸中 淳 木村 好江 西海 嘉能 池垣 淳一
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.209-213, 2021 (Released:2021-06-30)
参考文献数
9

【緒言】造血幹細胞移植後に発症したHHV-6脳脊髄炎の症例を経験した.【症例】30代女性.臍帯血移植2週間後に,発作性の下肢の電撃痛・痒み・振戦・発汗と尿閉を生じた.プレガバリン,オピオイドを開始し,脳脊髄液中HHV-6DNA陽性の判明後,ホスカルネットが投与された.レベチラセタム1000 mg/日併用にて,電撃痛の強度・頻度ともに著明に減少した.経過中のせん妄と不安には,向精神薬により対症療法を行った.髄液中ウイルス陰性化の前より著明な傾眠となったが,レベチラセタム漸減中止後に意識清明となった.退院時の主症状は,肛門周囲のしびれを伴う痛みと痒みで,オキシコドン15 mg/日,プレガバリン225 mg/日,ロラゼパム0.5 mg/日で自制内であった.【考察】臍帯血移植後HHV-6脳脊髄炎に伴う間欠的な電撃痛にレベチラセタムは有効であった.
著者
木村 好江 池垣 淳一 駒澤 伸泰
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.566-569, 2013 (Released:2013-10-02)
参考文献数
20

【症例】耐糖能異常のないがん患者が, クエチアピン内服中に低血糖を発症した. 低血糖は, クエチアピン増量後に, 絶食を契機に起こっていた. 【考察】クエチアピンは, 飢餓時の低血糖代償反応を抑制した可能性がある. 【結論】クエチアピン服用中のがん患者では, 高血糖のみならず低血糖の発症も念頭においた症状の観察と, 定期的な血糖値測定が望ましいと考えられる.