- 著者
-
駒澤 伸泰
上農 喜朗
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.2, pp.252-258, 2014 (Released:2014-04-30)
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
-
2
米国麻酔科学会は,2002年に「非麻酔科医のための鎮静・鎮痛薬投与に関する診療ガイドライン(ASA-SED)」を改訂した.ASA-SEDは鎮静を,反応性や呼吸・循環状態によって,軽い鎮静から,中等度鎮静,深い鎮静,全身麻酔までの連続した4段階に定義した.ガイドラインは下記の6点,すなわち,(1)術前患者評価:術前合併症,気道評価,絶飲食時間の設定,(2)患者モニタリング:酸素化のモニタリング,呼名に対する反応評価,心電図,カプノグラム,(3)鎮静担当者の確保とその訓練:鎮静担当者の集中と一次救命処置,二次救命処置等の緊急時対応,(4)緊急用機材の準備と薬剤投与:蘇生用薬剤,陽圧換気・気道管理器具,静脈路確保,(5)薬剤投与方法の原則:鎮静薬と鎮痛薬の相互作用,拮抗薬の準備,用量滴定,(6)回復期のケア:退室基準・退院基準策定の重要性,を強調している.さらに,ASA-SEDは一貫して鎮静が目標レベルより深くなった場合の準備と対応が必須であるとしている.