著者
池庄司 雅臣 圓川 隆夫
出版者
一般社団法人日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.388-397, 2004-10-15
被引用文献数
2

顧客満足度の企業のマーケットシェアや財務的な経営成果への定量的関係を把握するためには,顧客満足度の時系列的な測定が必要であるとともに,顧客満足度の性質やその生成メカニズムについて考察しておく必要がある.顧客満足度は,その調査の様式や形式によってモナディク指標と累積指標の2つに分類される.前者の指標については,わが国における耐久消費財を対象とした顧客満足度の代用指数の経年的な調査から,顧客満足度の大きさが株価に代表される時代の景気感と強い負の相関をもつことが示されている.本研究では後者の代表的な指標であるACSIを用いて,その生成メカニズムを踏まえた上で仮説を設定し,国家および産業セクター別における景気感との関係を分析することを目的とする.その結果(1)ACSIにおいてもその平均的大きさとダウ平均株価などの経済指標との間には,モナディク指標に比べて弱いものの有意な負の相関関係があること(2)さらに産業別ではスィチングコストの高い産業では特に負の相関が強く,それが低く企業間の競争が激しい産業ではその傾向が弱まることを明らかにした.最後にこの結果を踏まえて景気感による影響を考慮することで,ACSIと企業の経営成果の関係がより鮮明化する分析事例を示す.
著者
徐 景 池庄司 雅臣 圓川 隆夫 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.726, pp.33-38, 2002-03-12

駅などでPHS基地局の無指向性アンテナから移動体で受信電界強度を測定した位置検出システムでは異なるプラットホーム上の基地局からの信号が該当プラットホームの基地局からの信号より高い場合はプラットホームを間違えてしまい、同じプラットホーム上の電波よりも異なるプラットホーム間からの電波がもっと強い場合が多いので低い精度を表した。それで、本研究では異なるプラットホーム上の基地局からの干渉を抑制するために指向性アンテナを利用した方式を提案する。その方式では電波吸収剤を用いて基地局アンテナに指向性を持たせることで不要な干渉を抑えることができるものである。そして、駅での高精度な位置測定が可能になり、利用者の不要な音声、データ通信ができ、移動制約者に正確なホームを識別させ、目的地までの経路案内ができる。この提案方式の有効性を確認するため、実際のJR高崎駅の構築された実験システムを想定し、計算機シミュレーションを行ない、提案方式が不要な干渉を抑え、さらに、位置検出精度も高いことが示されている。