著者
後藤 正 村瀬 治比古 池田 善郎
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.127-136, 1999-03-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
21
被引用文献数
1

日本緑茶 (煎茶) の製造工程における茶葉の水分予測を行うため, 近赤外分光分析法で得られた吸光度を主成分分析法により前処理し, 入力パターンベクトルを生成してニューラルネットワークにより予測する方法を検討した。3因子の主成分スコアを入力信号, 水分量を出力信号とする3-3-1階層型ニューラルネットワークPCA-ANNは, 検証試料に対する予測標準誤差と相関係数をそれぞれ1.547%w. b. と0.998とした。重回帰, 主成分回帰および部分最小自乗回帰に比較して, この予測標準誤差は30~73%に改善され, 検証結果は良好であった。近赤外域吸光度の多重共線性の問題を解決し, かつ非線形関係を表すことのできる主成分分析・ニューラルネットワーク (PCA-ANN) 回帰モデルの有効性が明らかとなった。
著者
目崎 孝昌 佐竹 利子 福森 武 池田 善郎
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.35-45, 2006-05-01 (Released:2010-11-19)
参考文献数
8

米飯食味の良否はデンプン胚乳の糊化特性が大きく関与し, 胚乳内部への吸水ムラが大きく影響すると言われているが, 未だ明らかにされていない。このため, 水浸漬時の精白米への吸水現象を微細構造的に観察した結果, 胚乳部への吸水深さは背面よりも腹面が大きく, 疎水性タンパク質 (PB-1) の分布特性とよく一致した。背面では, 複粒デンプン内の単粒間に吸水されず, 胚乳細胞壁沿いでも吸水されない部位が存在した。また, 洗米水濁度が高い精白米では, 洗米水中に浮遊するデンプン粒の大半が単粒として分離しており, 精白米最外面の単粒間によく吸水した。
著者
目崎 孝昌 佐竹 利子 福森 武 池田 善郎
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.61-71, 2005-09-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12

米粒における短時間の水の移動に関する研究は, 洗い仕上げ無洗米のような精米後の処理技術を開発するために重要である。米粒内への吸水速度は, 乾燥や精米後の表面処理状態によって大きく影響を受けることが予測される。しかしながら, 微視的な穀粒構造の中で水移動を観察することは困難であった。本研究では, 液体窒素による急速冷却効果を利用して, 浸透水の氷結晶化による微細構造の変化をとらえ, 精白米中の吸水現象を可視化することを試みた。その結果, 精白米のデンプン胚乳 (デンプン貯蔵組織) では, まず水は複粒デンプンを通過し, 二次的に単粒デンプンを通って浸透した。さらに, 白米表面に糊粉層を残すと穀粒への吸水が妨害されることが確認され, アリューロン層を残すことは水浸入の防止策となるものと考えられる。
著者
石井 洋平 池田 善郎
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.203-205, 1999-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
7