著者
目崎 孝昌 佐竹 利子 福森 武 池田 善郎
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.35-45, 2006-05-01 (Released:2010-11-19)
参考文献数
8

米飯食味の良否はデンプン胚乳の糊化特性が大きく関与し, 胚乳内部への吸水ムラが大きく影響すると言われているが, 未だ明らかにされていない。このため, 水浸漬時の精白米への吸水現象を微細構造的に観察した結果, 胚乳部への吸水深さは背面よりも腹面が大きく, 疎水性タンパク質 (PB-1) の分布特性とよく一致した。背面では, 複粒デンプン内の単粒間に吸水されず, 胚乳細胞壁沿いでも吸水されない部位が存在した。また, 洗米水濁度が高い精白米では, 洗米水中に浮遊するデンプン粒の大半が単粒として分離しており, 精白米最外面の単粒間によく吸水した。
著者
佐竹 利子 福森 武 劉 厚清 河野 元信 佐々木 泰弘
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.115-121, 2004-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11
被引用文献数
2

玄米の水浸漬条件が, 米粒内のGABA (γ-アミノ酪酸) と遊離必須アミノ酸の生成量, 並びにビタミンB1とミネラルMgの含有量に及ぼす影響を明らかにし, 高い機能性を有する主食用米の調製加工技術の開発を図る。本報では浸漬工程における処理条件を解明することに主眼を置き, 続く蒸熱, 加湿熱風, 通風冷却, 精米, 通風乾燥の一連の工程については同一条件で処理した。試験の結果, GABAと遊離必須アミノ酸の生成量は浸漬条件によって大きく異なり, ビタミンB1とミネラルMgについては, 粒内各部位の含有率に変化が生じた。試験条件の範囲では, 水温30℃で2時間浸漬後に水切りし, 吸水玄米が乾かないようにして雰囲気温度30℃で22時間放置した場合に, GABAと遊離必須アミノ酸が最も顕著に増加し, ビタミンB1とミネラルMgと同様に胚乳部に移行することを認めた。
著者
佐竹 利子 福森 武 劉 厚清 目崎 孝昌 河野 元信 佐々木 泰弘 石渡 健一
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.117-124, 2004-09-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10

玄米を微量加水 (玄米水分約17%以下までは加水速度約0.5%/h, 17%以上では0.5~1.2%/h) で水分23%程度まで調質し, その後約12h放置すると, GABA (γ-アミノ酪酸) 含有量が15~20mg/100gにまで増加し, しかも重胴割れ率が低いために搗精にはほとんど支障がなかった。この玄米を搗精した精白米 (精米歩留り約90%) と胚芽米 (精米歩留り約95%) のGABA含有量は, それぞれ玄米の約83%と約91%を示し, 高い含有量であった。これより, GABA成分が高くてしかも発芽玄米に比べて食べやすい高機能性米を調製加工できる新たな方法が見出された。
著者
目崎 孝昌 佐竹 利子 福森 武 池田 善郎
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.61-71, 2005-09-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12

米粒における短時間の水の移動に関する研究は, 洗い仕上げ無洗米のような精米後の処理技術を開発するために重要である。米粒内への吸水速度は, 乾燥や精米後の表面処理状態によって大きく影響を受けることが予測される。しかしながら, 微視的な穀粒構造の中で水移動を観察することは困難であった。本研究では, 液体窒素による急速冷却効果を利用して, 浸透水の氷結晶化による微細構造の変化をとらえ, 精白米中の吸水現象を可視化することを試みた。その結果, 精白米のデンプン胚乳 (デンプン貯蔵組織) では, まず水は複粒デンプンを通過し, 二次的に単粒デンプンを通って浸透した。さらに, 白米表面に糊粉層を残すと穀粒への吸水が妨害されることが確認され, アリューロン層を残すことは水浸入の防止策となるものと考えられる。