著者
塚本 潔 池田 正孝 野田 雅史 山野 智基 小林 政義 濱中 美千子 馬場谷 彰仁 木村 慶 宋 智亨 今田 絢子 内野 基 池内 浩基 冨田 尚裕
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.450-456, 2018-04-20

【ポイント】◆根治性と機能温存の観点から,家族性大腸腺腫症に対して大腸全摘・J型回腸囊肛門吻合術が標準術式とされている.◆肛門側操作で確実な粘膜切除と括約筋温存を心がけることで根治性と機能温存が両立される.◆1期的手術や腹腔鏡手術の有用性が期待されるが,いまだ十分なコンセンサスを得たものではなく,専門性の高い術式であるという認識をもつことも必要である.*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画(Flash形式)を見ることができます(公開期間:2021年4月末まで)。

1 0 0 0 OA ―大腸手術―

著者
内野 基 池内 浩基 堀尾 勇規 桑原 隆一 皆川 知洋 楠 蔵人 木村 慶 片岡 幸三 別府 直仁 池田 正孝
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.176-180, 2022-10-15 (Released:2022-11-15)
参考文献数
33

手術部位感染 (surgical site infection : SSI) の危険因子の一つに低栄養があげられる. その改善により合併症予防が期待できるが, 単独でのSSI対策よりもケアバンドル対策の方が有効である可能性もあり, 周術期管理プログラムとして行われることも少なくない. 今回, 本邦の消化器外科手術におけるSSI予防ガイドラインのクリニカルクエスチョンをもとに大腸手術における周術期代謝栄養管理について再考した. 結果的には大腸手術に限定しても周術期管理プログラムはSSI予防に有用であった. しかし術前炭水化物負荷の有効性やその他の周術期栄養管理対策に関してはエビデンス不足により言及できなかった. 大腸手術では閉塞性大腸癌や炎症性腸疾患など低栄養状態である病態も存在し, 個々に合わせた対策が必要である.
著者
山本 和義 西川 和宏 平尾 素宏 福田 泰也 中山 環 永妻 佑季子 谷川 清 前田 栄 原口 直紹 三宅 正和 濱 直樹 宮本 敦史 大宮 英泰 池田 正孝 高見 康二 中森 正二 関本 貢嗣
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.35-41, 2015 (Released:2015-05-08)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

胃癌患者は高齢者や低栄養症例も多いため,術前からサルコペニアの有病率が高いことが予想される.2012年7月~2014年2月の期間で当科にて行った65歳以上の胃癌手術症例69例中38例(55.1%)にサルコペニアを認めた.サルコペニア群で有意に摂取エネルギー量が少なく(25.6 vs. 29.9kcal/(IBW)kg, p=0.0060),摂取タンパク質量が少なかった(0.95 vs. 1.12g/(IBW)kg, p=0.0041).Clavien-Dindo分類Grade Ⅲ a 以上の重篤な合併症発生率はサルコペニア群で有意に高かった(23.7 vs. 6.5%, p=0.043).サルコペニア有りは重篤な合併症発生に関する独立した危険因子であった(OR 5.86, 95%CI 1.06? 51.65, p=0.042).サルコペニア合併高齢胃癌手術症例に対し,適切な栄養介入が重篤な合併症を回避するうえで有用であると考える.