著者
泉川 孝一 稲葉 知己 水川 翔 河井 裕介 榊原 一郎 石川 茂直 三好 正嗣 和唐 正樹 河合 公三
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.111, no.6, pp.1096-1104, 2014-06-05 (Released:2014-06-05)
参考文献数
18
被引用文献数
1

症例は,ダビガトラン開始1カ月後より胸焼けを自覚した67歳男性と薬剤開始数日後より心窩部痛を自覚した81歳女性である.内視鏡所見は近似しており,食道に白色あるいは暗青色の膜様物が付着した浅い潰瘍を多数認めた.いずれの症例もダビガトラン投与は継続し,服薬指導のみで症状は消失し潰瘍は改善した.食事中に薬剤を大量の水で服用し座位を保持するという服薬指導は,ダビガトランによる食道傷害の予防に有効である.
著者
赤根 幸子 牧野 慎也 橋本 典親 八束 陽介 河井 裕 竹田 一彦 佐久川 弘
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.185-196, 2004-03-05
被引用文献数
2

陸起源の溶存有機物濃度の高い広島湾において2000年を除く1996年から2002年の春季(5月,6月),及び夏季(8月)に海水を採取し,蛍光法を用いて海水中道酸化水素濃度の測定を行った。道酸化水素濃度の日変化や鉛直分布を調べるとともに,船上での光照射実験及び分解実験から道酸化水素の生成速度及び半減期の見積り,また環境諸要因との相関関係などを調査研究した.その結果,道酸化水素濃度は昼間(143〜448 nmol L^<-1>)の値が,夜間(85〜259 nmol L^<-1>)よりも高く,また,表面水で高く水深が深くなるにつれて減少する傾向を示した。道酸化水素の生成速度は8.0〜16 nmol h^<-1>, 半減期は12〜14hであり,報告例がある他の海域と比べて表面海水中濃度は高く,生成速度,半減期ともに速いものであった。また,広島湾表面海水は閉鎖性の高い海域の特徴として,河川水の流人の影響を強く受けることから主に塩分,水温が道酸化水素濃度を左右する要因であること,他方,微生物による分解作用も強く受けていることが実験的に示された。