- 著者
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檜高 育宏
河内 正治
- 出版者
- Japan Society of Pain Clinicians
- 雑誌
- 日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.2, pp.126-128, 2004-04-25 (Released:2009-12-21)
- 参考文献数
- 6
右前胸部痛を主訴とし, 肋間神経痛と診断された76歳男性の胃潰瘍の症例を経験した. 右肺上葉切除術と右肋間神経痛の既往があり, 肋間神経痛の診断でペインクリニックに紹介された. 痛みの性状は締め付けられるような痛みで, 夜間に多く, 2~8時間持続する. また非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) の内服で痛みは一時的に減弱し, アロディニアは認めなかった. 不眠と食欲不振の訴えもあり, 体重減少を認めたため, 持続硬膜外鎮痛を行い, 胸部痛は消失したが食欲は戻らなかった. さらに腹痛が出現したため, 上部消化管内視鏡検査を受け巨大胃潰瘍が発見された. 内科に転科し治療を受け, 胸部痛, 腹痛ともに消失し食欲も回復した. 胸痛のみを主訴とする胃潰瘍はまれであるが, NSAIDs服用例では念頭におくべき合併症である.