著者
檜高 育宏 河内 正治
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.126-128, 2004-04-25 (Released:2009-12-21)
参考文献数
6

右前胸部痛を主訴とし, 肋間神経痛と診断された76歳男性の胃潰瘍の症例を経験した. 右肺上葉切除術と右肋間神経痛の既往があり, 肋間神経痛の診断でペインクリニックに紹介された. 痛みの性状は締め付けられるような痛みで, 夜間に多く, 2~8時間持続する. また非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) の内服で痛みは一時的に減弱し, アロディニアは認めなかった. 不眠と食欲不振の訴えもあり, 体重減少を認めたため, 持続硬膜外鎮痛を行い, 胸部痛は消失したが食欲は戻らなかった. さらに腹痛が出現したため, 上部消化管内視鏡検査を受け巨大胃潰瘍が発見された. 内科に転科し治療を受け, 胸部痛, 腹痛ともに消失し食欲も回復した. 胸痛のみを主訴とする胃潰瘍はまれであるが, NSAIDs服用例では念頭におくべき合併症である.
著者
河内 正治 難波 陸祐
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.829-840, 1984-09-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
27
被引用文献数
1 3

Fluorine containing polymers have excellent characteristics such as superior heat resistance, chemical resistance, non-stick property, and various electrical properties, and they are widely used for chemical, electrical and mechanical applications.Nowadays eight kinds of fluorocarbon polymers and six kinds of fluoroelatomers are commercially available in the market.Not only are the high performance of fluorine containing polymers finding their continued applications, but also the functions of the polymers, such as the lowest refractive index or electron beam sensitiveness are attracting attention in new and unique applications. and many new fluorine containing polymers suitable for such new applications are being developed now.In this article, the characteristics and their applications are reviewed.
著者
坂本 芳美 岡 美和子 深田 靖彦 河内 正治
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.3_53-3_56, 2005 (Released:2006-12-27)
参考文献数
5
被引用文献数
3

血清アルブミン値は栄養評価として信頼でき、かつ安定した指標として臨床の場で広く認められている。最近ではRBP (retinol-binding protein)、TTR (transthuyretin : 慣用名prealbumin)、Tf (transferrin) 等の半減期の短いRTP (Rapid Turnover Protein) とともに栄養アセスメント蛋白と呼ばれている。しかし、その測定値において、体位による変動が、臨床上問題になるほど大きいことは、栄養療法を行なう臨床の場ではほとんど知られていない。今回われわれは、体位による変動を健康成人において調査した結果、血清アルブミン値をはじめRTP値が採血時の体位で10%程度の差を生じることが判明し、採血時の体位が無視できないことを確認した。栄養アセスメント蛋白を栄養評価指標として用いる際には、体位、体位保持時間を考慮しなければ誤った判断を下す可能性があると考え、その際の標準体位を決定し、アナウンスする必要があると考える。