著者
原 俊介 河原 正治 大武 信之 佐藤 浩史
出版者
筑波技術短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

(1)現在、中途失明者の多くが点字の書き方の学習には比較的容易に取り組むことができても、点字触読の学習には困難を感じていると言われている。点字触読の学習の初期の段階では、大きな点字、またはマス間や行間の広い点字を用いる方が効果的な場合もあると思われるが、現存のほとんどの点字印刷機器では、点字の大きさ、間隔等が標準サイズに固定されているため、標準と異なるサイズの点字のテキストを作成するには多くの困難を伴う。この問題を解決するため本研究では、点字における、点の直径、2点間の間隔、マス間、行間などをユーザーの必要に応じて自由に設定できる点字印刷システムの開発を行った。このシステムを利用して、点字使用者の点字習熟度、または使用者の触覚の機能にあった点字印刷物の作成が可能になるとともに、点字触読の能力を高めるための学習、点字触読の過程及び点字パターンの認識を規定する諸要因の研究、読みやすい点字サイズの研究等が促進されることが期待される。(2)情報処理機器の発達により、視覚障害者の情報収集は比較的容易になってきたが、情報発信、特に数式等を含む科学技術文書の作成にはまだ困難が伴い、晴眼者の助力が必要になることが多い。我々は視覚障害者自身で数式を含む科学技術文書の作成を可能とするため、Windows上で動作するLaTeX文書作成支援システムを開発した。このシステムはWindows画面読み上げソフトウェアを用いて音声出力を行う。このシステムを用いることで視覚障害者はLaTeX文書の修正および作成した文書の確認が容易に行える。我々は実用に耐えるシステムをほほ完成した。現在このシステムを搭載したノート型パソコンを筑波技術短期大学及び他の機関に設置して、全盲の学生及び研究者に数式を含むLaTeX文書作成時における実際の利用及びシステム・チェックを兼ねた支援システムの検証作業の協力を依頼し、LaTeXコマンドの追加、LaTeX文書作成時におけるエラー・メッセージの改良等を続けている。
著者
細谷 博子 華表 清香 大村 梢 佐藤浩史 河原 正治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.121, pp.19-24, 2003-11-29

従来型のサーバ・クライアントシステムが抱える問題の解決法として注日されているのが,Peer-to-Peer(P2P)型システムである.このシステムを実用化するためには,著作権処理や個人認証などの課題があり,それらを解決する必要がある.将来的には,携帯端末が身分証明の機能や,日常生活の様々な決済機能を担うことが期待されている.将来の携帯端末が持つべき機能を明確にするために,本研究では一つの例として,携帯電話に課金機能を組み込んだシステムを構築した.このシステムを既存のP2P型の画像共有システムに適用させた結果について報告する.The Peer-to-Peer(P2P)type systems attracts a great deal of attention, since this system can solve the various problems existing in the current server-client systems. In order to put the system to practical use, however, it is necessary to settle the problems such as regulation of the Copyright Act and the individual-authentication. In future, it is expected that"mobile device"will be used as a means of personal identiflcation and of the various settlement of accounts in daily life. In this research, as an example to make clear the function of future mobile device, we have constructed a kind of superdistribution system, that is, we have implemented the function of the billing to a cellular phone. Fuether more, we have combined the system and the existing P2P type system of sharing images. In this paper, we report the result of this combined system.