著者
原田 茜 吉田 俊也 Resco de Dios V. 野口 麻穂子 河原 輝彦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.397-403, 2008 (Released:2009-01-23)
参考文献数
14
被引用文献数
4 4

北海道北部の森林では, ササ地を森林化させるために掻き起こし施業が広く行われてきた。施業から6∼8年が経過した樹冠下の掻き起こし地を対象に, 9種の高木性樹種を対象として樹高成長量と生存率を調べ, それらに影響する要因(植生間の競争・促進効果)を明らかにした。成長量と生存率が高かったのはキハダとナナカマド, ともに低かったのはアカエゾマツであった。多くの樹種の成長は, 周囲の広葉樹または稚樹以外の下層植生の量から促進効果を受けていた。ただし, シラカンバについては, 施業後3∼5年目の時点では促進効果が認められていたものの, 今回の結果では競争効果に転じていた。一方, 生存率については, 多くの樹種について周囲の針葉樹による負の影響のみが認められた。密度または生存率の低かった多くの樹種に対して, 周囲のシラカンバやササの回復が負の要因として働いていないことから, 多様な樹種の定着を図るうえで, 除伐や下刈りの実行は, 少なくともこの段階では有効ではないと考えられた。
著者
原田 茜 吉田 俊也 Resco de Dios V. 野口 麻穂子 河原 輝彦
出版者
日本森林学会
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.397-403, 2008 (Released:2011-04-05)

北海道北部の森林では、ササ地を森林化させるために掻き起こし施業が広く行われてきた。施業から6〜8年が経過した樹冠下の掻き起こし地を対象に、9種の高木性樹種を対象として樹高成長量と生存率を調べ、それらに影響する要因(植生間の競争・促進効果)を明らかにした。成長量と生存率が高かったのはキハダとナナカマド、ともに低かったのはアカエゾマツであった。多くの樹種の成長は、周囲の広葉樹または稚樹以外の下層植生の量から促進効果を受けていた。ただし、シラカンバについては、施業後3〜5年目の時点では促進効果が認められていたものの、今回の結果では競争効果に転じていた。一方、生存率については、多くの樹種について周囲の針葉樹による負の影響のみが認められた。密度または生存率の低かった多くの樹種に対して、周囲のシラカンバやササの回復が負の要因として働いていないことから、多様な樹種の定着を図るうえで、除伐や下刈りの実行は、少なくともこの段階では有効ではないと考えられた。
著者
原田 茜 吉田 俊也 Resco de Dios Victor 野口 麻穂子 河原 輝彦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 = Journal of the Japanese Forest Society (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.397-403, 2008-12-01
参考文献数
14
被引用文献数
4

北海道北部の森林では, ササ地を森林化させるために掻き起こし施業が広く行われてきた。施業から6∼8年が経過した樹冠下の掻き起こし地を対象に, 9種の高木性樹種を対象として樹高成長量と生存率を調べ, それらに影響する要因(植生間の競争・促進効果)を明らかにした。成長量と生存率が高かったのはキハダとナナカマド, ともに低かったのはアカエゾマツであった。多くの樹種の成長は, 周囲の広葉樹または稚樹以外の下層植生の量から促進効果を受けていた。ただし, シラカンバについては, 施業後3∼5年目の時点では促進効果が認められていたものの, 今回の結果では競争効果に転じていた。一方, 生存率については, 多くの樹種について周囲の針葉樹による負の影響のみが認められた。密度または生存率の低かった多くの樹種に対して, 周囲のシラカンバやササの回復が負の要因として働いていないことから, 多様な樹種の定着を図るうえで, 除伐や下刈りの実行は, 少なくともこの段階では有効ではないと考えられた。
著者
河原 輝彦
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.317-322, 1978-09-25

葉や枝が枯れ林床に落ちてきたとき, それらが生きていたときにくらべてどの程度の重量減少があるかを調べた。(1)6樹種で葉重量の季節変化を調べた結果では, 夏にもっとも重く, 落葉直前にもっとも軽くなっていた。その重量は夏の葉より15〜25%減少していた。この重量減少のうちおよそ半分は雨水による物質の溶脱のために, 残り半分は樹体内への物質の移動によるものと思われた。(2)落枝の重量減少をケヤキ, ブナ, スギ, アカマツ, カラマツ, ヒノキの6樹種で調べた。カラマツの落枝は生き枝にくらべて重量減少はほとんどなかったが, 他の5樹種の落枝では生き枝にくらべて最大で40〜50%の重量減少がみられた。