- 著者
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田中 穣
小松原 春菜
野口 大介
市川 健
河埜 道夫
近藤 昭信
長沼 達史
- 出版者
- 日本胆道学会
- 雑誌
- 胆道 (ISSN:09140077)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.4, pp.667-672, 2016-10-31 (Released:2016-11-10)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
-
2
【目的】急性胆嚢炎に対するPTGBD後の腹腔鏡下胆摘術(以下LC)を安全に行うために,PTGBD後LC63例を対象として,その手術難易度の評価を行った.【結果】術前CRP最高値20mg/dl以上やCRP値低下までに長期間を要するもの,USでの胆嚢動脈血流Vmax値(以下Vmax値)30cm/秒以上,CTでの胆嚢壁厚5mm以上,術前PTGBD造影での胆嚢管閉塞,発症からPTGBD挿入までの時間が24時間以上,PTGBD後手術まで14日以上では術中出血量が多かった.【まとめ】急性胆嚢炎において術前の血清CRP値,胆嚢動脈血流Vmax値,PTGBD前のCTにおける胆嚢頚部壁厚,PTGBD造影の胆嚢管閉塞の有無が手術難易度の評価に有用で,発症後24時間以内にPTGBDを行い,14日以上経過してから手術を行うことが,術中出血量の軽減につながると考えられた.