著者
藤井 聰 岸原 士郎 玉城 一 河本 正彦
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.97-106, 1986
被引用文献数
2

良質なサゴデンプンを製造する条件を探るため, 1981年にマレーシヤ, クアラルンプル市郊外で, 種々の条件下でサゴデンプンを実験室的に調製し, 調製品を日本に持ち帰って, その品質, とくにその色に関係する分析をした。その結果得られた良質サゴデンプンの製造条件と, 留意すべき事項について報告する。原料は新鮮で熟していなければならない, 未熟の原料や, 収穫後, 剥皮及び磨砕後長時間放置したものからは, 劣悪なものしか得られなかった。デンプン製造には鉄製器具はできるだけ避けるべきである。さもなければピスの切断面はインク色に染まり, その色はデンプンに取り込まれてしまう。ピスを短時間貯蔵せねばならぬときは, 空気から切断面を遮断する適当な方法を講ずるべきである。例えば適当な表面コーティング剤を噴霧するとか, 水に浸漬するとかの方法である。良質の水を使用することが高白度のデンプンを得るために必須である。若し良い水が得られないなら, たとえば, 塩(海)水を用いるとか, Tween 60のような界面活性剤を添加した用水を用いるのが薦められる方法である。不純物は製造時にデンプンに吸着されるので, 一度劣悪なデンプンが製造されると, その品質の改良は普通の方法では大変むつかしい。
著者
岸原 士郎 藤井 聰 河本 正彦
出版者
日本膜学会
雑誌
(ISSN:03851036)
巻号頁・発行日
vol.8, no.6, pp.371-374, 1983

Commercial refined cane sugars still contain high-molecular-impurities such as acidified-ethanol-insoluble substances and turbid substances. These impurities were able to be satisfactorily eliminated by ultrafiltration and sufficiently by reverse osmosis. Ultrafiltration might be used for the production of specially pure sucrose free from these impurities. A small amount of these high-molecular-impurities reduced the flux in ultrafiltration of the sugar solution. From the degree of decline in flux, the level of these impurities in different sugars may be roughly judged.
著者
王子 善清 高 祖明 脇内 成昭 岡本 三郎 河本 正彦
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.291-296, 1984
被引用文献数
3

まず〔実験1〕として, 培養液中の亜硝酸塩(0∿10mM)が8種類の野菜の生育及び亜硝酸含量に及ぼす影響を調べた。次に〔実験2〕として, 青物市場より購入した野菜といわゆる"有機農業"により生産された野菜を供試して, それぞれの可食部の硝酸塩と亜硝酸塩の含量及び貯蔵中におけるころらの消長を比較調査した。〔実験1〕 : 亜硝酸塩の供給は一般に野菜の生育を低下させた。しかしキュウリとキャベツでは影響がなかった。亜硝酸毒性感受性はホウレンソウ>サラダナ>シュンギク>ダイコン>ニンジン>ハクサイの順であった。硝酸塩で生育させられた野菜には, 亜硝酸が検出されなかったが, 亜硝酸塩を与えられたものでは最高15ppm(生重当り)程度の亜硝酸態窒素が認められた。〔実験2〕 : 市場野菜及び有機農業野菜のいずれにおいても, 硝酸態窒素含量は種類によって著しい違いが認められた。葉菜類には特に多量蓄積した(300∿600ppm)。亜硝酸はすべての試料について検出されなかった。7℃暗所に貯蔵した場合, 硝酸態窒素含量に有意な変化が認められなかったし, また貯蔵中に亜硝酸態窒素が出現することもなかった。一般に市場野菜の硝酸態窒素含量が高かったが, ゴボウとダイコンでは有機農業野菜の方が高かった。以上より, 次のことが結論される。1) 亜硝酸塩が存在する培地中に生育した野菜には有害な亜硝酸が含まれている可能性が高いので, 食用に供する場合には, 特に注意が必要である。2) いわゆる"有機農業"により生産された野菜中にも相当な量の硝酸塩が含まれているので, 低硝酸塩野菜の生産のためには, 硝酸化成作用の抑制が必要である。