著者
滝野 豊 松村 隆弘 二木 敏彦 川端 絵美子 星名 悠里 本田 理沙 油野 友二 柴田 宏
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.541-545, 2018-07-25 (Released:2018-07-28)
参考文献数
16

肝炎ウイルスやアルコール性肝炎,非アルコール性脂肪性肝疾患などによる慢性肝炎は線維化の過程を経て,将来的に肝硬変症を経て肝癌に至ることが知られている。肝線維化診断のゴールデンスタンダードは肝生検であるが,侵襲的な検査であることから血液成分であるヒアルロン酸やIV型コラーゲン,および生理学的な検査法が利用されている。新しい肝線維化マーカーとしてMac-2 binding protein glycosylation isomer(M2BPGi)が保険適応された。ヒアルロン酸は食事の影響を受けやすいことが知られているが,M2BPGiについての食事の影響は調査されていない。今回,M2BPGiの食事の影響を血中ヒアルロン酸値とIV型コラーゲン値の変動と比較した。ヒアルロン酸のみが食事摂取1・2時間後に食前と比べ有意に測定値が上昇した。M2BPGi値とIV型コラーゲン値は食事の影響を受けなかった。このことから,M2BPGi値測定は随時採血の検査においても正しい評価ができると考えられた。
著者
星 雅人 堀田 真希 宿谷 賢一 野崎 司 古川 博 滝 賢一 油野 友二 稲垣 勇夫
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.275-282, 2014-05-25 (Released:2014-07-10)
参考文献数
10

最近,硝子円柱における臨床的意義に関する多くの報告があるが,硝子円柱の詳細な形態基準は未だ明らかではなく,判定のバラツキが大きいのが現状である.我々は尿検査担当技師643人に硝子円柱フォトアンケート調査を実施し,得られた結果から硝子円柱判定の形態学的特徴の解析とその解析結果に基づいた硝子円柱形態判定フローチャートを作成した.本調査結果により,硝子円柱判定のバラツキの収束と統一化された判定基準による硝子円柱の臨床的意義の解明が望まれる.