著者
糸井 隆夫 良沢 昭銘 潟沼 朗生 岡部 義信 洞口 淳 加藤 博也 土屋 貴愛 藤田 直孝 安田 健治朗 五十嵐 良典 後藤田 卓志 藤本 一眞
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.337-365, 2017 (Released:2017-03-22)
参考文献数
227

日本消化器内視鏡学会は,新たに科学的な手法で作成した基本的な指針として,「EPLBD診療ガイドライン」を作成した.EPLBDは近年普及している総胆管結石に対する治療法の一つである.この分野においてはエビデンスレベルが低いものが多く,専門家のコンセンサスに基づき推奨の強さを決定しなければならないものが多かった.本診療ガイドラインは「EST診療ガイドライン」に準じて,定義と適応,手技,特殊な症例への対処,偶発症,治療成績,術後経過観察の6つの項目に分け,現時点での指針とした.
著者
洞口 淳 藤田 直孝
出版者
一般社団法人 日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.698-702, 2009 (Released:2009-11-27)
参考文献数
18
被引用文献数
2

要旨: USやEUSといった超音波検査は,胆嚢病変の存在診断や質的診断を行う上で重要な検査法の一つである.特にEUSは胆嚢病変の詳細な観察が可能であるため,腫瘍の形態と胆嚢壁層構造の関係から癌の壁深達度診断が可能である.EUSで有茎性の病変であることが確認されれば,深達度は粘膜内にとどまる早期癌と診断できる.一方,病変が広基性の場合には病変部の胆嚢壁の詳細な観察を行い,外側高エコー層に変化が生じているか否かで深達度診断を行う.外側高エコー層に不整がみられる場合には漿膜下浸潤が考えられるが,外側高エコー層に影響のない症例では癌浸潤が粘膜層,粘膜固有筋層,漿膜下層までのいずれの場合も存在するため,鑑別には他のモダリティの併用が必要である.最近ではUSでドプラ法や造影法を用いて腫瘍部の血流解析を行うことで,深達度を診断する試みがなされており,今後EUSでの応用が期待される.