- 著者
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円谷 悦造
浅井 美都
太田 美智男
- 出版者
- 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
- 雑誌
- 日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.2, pp.101-106, 1998-04-10 (Released:2009-12-10)
- 参考文献数
- 10
- 被引用文献数
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食酢を用いた調理における, 食中毒原因菌であるEscherichia coli O157: H7 NGY-10, Salmonella Enteritidis IID 604, Vibrio parahaemolyticus IFO 12711および Staphylococcus aureus IFO 3060の挙動を調べ, 食酢が細菌性食中毒の予防に有効か否かを検証した。食酢を調味に使用する調理食品では, 食酢使用量の多い, 酢漬け類, 紅白なます, サワードリンク等では, E. coli O157: H7 NGY-10に対する殺菌効果が, 食酢使用量の比較的少ない, 酢の物類, すし飯等では静菌効果が確認された。食酢を調味には使用しないが, 刺身類や茹で蛸を食酢に短時間浸漬すると, 供試菌株に対する静菌効果ないしは殺菌効果が発現し, 保存性が高まった。炊飯前に, 食味に影響しない量の食酢を添加すると, 冷却後の米飯に供試菌株を接種しても静菌された。冷凍魚介類を食酢希釈液中で解凍すると, その後の穏和な加熱でも, 供試菌株が殺菌され, 保存性が高まった。また, ハンバーグステーキに食酢を適量添加して焼くと, 中心温度が65℃という不十分な加熱でも, 供試菌株が殺菌され, 保存性が高まった。以上の結果より, 調理の場面での食酢の細菌性食中毒防止効果が確認された。