著者
山内 二郎 浦 昭二
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.12, no.11, 1971-11-15
著者
菅沼 毅 浦 昭二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1231-1232, 1989-03-15

通常、プログラマはロジックエラーを次のようにしてデバッグする。まず、プログラムを実行し制御の流れ・変数値の変化等の実行時情報を収集する。次にこれを仕様やプログラムとの比較により解析してバグ原因の仮説を立てる。そして再び情報収集・解析を行い、仮説の正しさ/誤りを調べる。この手続きによるバグの発見には豊富な経験や技術あるいは勘を要し、多くの試行錯誤を伴うため、初心者には困難である。そこで、「'エラー'とは、利用者の意図どうりにシステムが機能しない状態.'バグ'とは、エラーの発生し得る要因のうちソフトウェアに内在する原因.」という定義に立ち返って、エラーが発生した際のバグの発見・真の原因探索の支援方法について考える。従来の代表的なアプローチに対する批判点のうち本研究の着目点として次の2点を想定している。a)プログラムを静的なものとして捉えていること,b)プログラミングの意図を考慮していないこと。a)に関しては、インスツルメンテーションを用いた動特性データの保存により、対象をソースコードだけではなく、プログラムの動作・振舞いとする。b)に関しては、プログラムに込められた意図を、宣言的な表現を用いて記述することにより、処理の対象に加える。プログラムへの意図と実際の動作との間に存在する矛盾はプログラムが期待通りに動作していない点であり、すなわちバグである。 よってこの矛盾点を発見・報告することが出来ればデバッグ時の有力な情報に成ると考えられる。
著者
浦 昭二 宮川 裕之 眞鍋 龍太郎 細野 公男 福川 忠昭 神沼 靖子
出版者
慶応義塾大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1990

本研究の目的は、情報システム学の概念を確立することと、それに基づいた教育カリキュラムを構築することである。本年度は、前年度にまとめた、情報システムの定義・目的・特徴・機能・性格,情報システムの問題を考える際の留意事項、情報システム教育の方向などに関する基本的な考え方に基づいて、情報システム学の体系、情報システム教育のカリキュラム、当該カリキュラムに含まれる各科目の内容を検討し最終案をまとめた。まず情報システム学の体系は、情報システムの「企画」、「開発」、「運営」、「概念」、「社会的影響」の5つの側面から構成されるとし、それぞれの特徴と相互関連を明らかにした。このうち最初の3つは、情報システムの構築・活用に直接結びつくことが多い側面であり、後の2つは情報システムの基本概念およびそれと社会との関わりを扱い、それぞれ前の3つの要素とは異なった側面(次元)をもつものである。この体系に基づいて、情報システム教育の中心となるコア領域と参照学問領域の2つの領域から構成される教育カリキュラムを構築した。このうち参照学問領域は、情報システムの人間・社会的側面に接近するために既存の学問領域に属する知識・技術を情報システム学の視点から捉えた科目群と、情報システムの構築・把握などに関わる各種の自然科学・工学的な知識・技術を扱う科目群とに大別した。カリキュラムを構成する科的としては、コア領域に属するもの29科目、参照学問領域に属するもの32科目の合計61科目を設定した。さらに、情報システム教育の実学的特徴に配慮して、上述の領域を横断的に捉える「事例調査」と「プロジェクト研究」の2つを設けた。これらの科目は、動機付けのための基礎科目(19科目)と専門科目(43科目)とに分けられている。また、各科目の概要を、位置付け、狙い、アプロ-チ、内容、レベルの観点から記述し、さらに具体的なコ-ス例を複数個作成した。