著者
細野 公男
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.606-612, 1996-11-01 (Released:2017-05-25)
参考文献数
5

文献電子化への流れ, テキスト処理技術の進歩, 情報提供における利用者志向は, 従来の索引作業の役割やあり方に大きな影響を及ぼしている。本論文ではこのような背景を踏まえて, まず付与索引・抽出索引, 主題検索の特徴を述べると共に, 各種のアバウトネスの概念および索引作業との関連を紹介した。続いて, 付与索引・抽出索引および主題検索が現在抱えている問題点を明らかにした。前者では主題概念の表現力の不備と利用者アバウトネスの欠落が, 後者では主題概念の表現力の不備が大きな問題である。さらに, 索引作業が効果的に機能するために今後考慮すべき要件として, 利用者アバウトネスの取り込みと自動索引手法の高度化の必要性を示した。
著者
細野 公男
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.1112090034-1112090034, (Released:2011-12-13)
参考文献数
1
被引用文献数
2 2

The nuclear power plant disaster in Fukushima Prefecture has given big influence on our life. Such influence is due to not only the accident itself but many things resulting from the rumor which the accident brought about.This paper, first of all, points out several problems we have to cope with. One of the most serious one is that because the Tokyo Electric Power, the government, and the mass media do not understand the difference between data and information and because they do not recognize the importance of information, they provide unsuitable data to disaster victims and average citizens in many cases. In addition, the fact that disaster victims and average citizens considerably lack the knowledge about the accident and its effects can not be ignored. As the result, they become uneasiness and are prone to act improperly.Secondly, it describes the situation of the disaster from the mutual relation among phenomena, data, information, and knowledge.Finally, three ways of coping, by which disaster victims and average citizens can act appropriately and avoid damages caused by rumors, are proposed as follows.a) The Tokyo Electric Power, the government, and mass media must try to raise information consciousness and sense markedly.b) Disaster victims and average citizens must examine carefully the data provided from them before making any decision.c) An organization of the national level should be established immediately, in which specialists will lecture disaster victims and average citizens on the fundamental knowledge about the accident and its effects.
著者
細野 公男
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.108-113, 2005-03-01

電子ジャーナルの購入に係わる活動を協力して行うための組織であるコンソーシアムは, 近年その重要性が強く認識されている。こうした活動が学術情報の流通基盤の一部を構成するようになったからである。そのため欧米の先進的な諸国ではコンソーシアム活動が積極的に展開されているが, わが国ではまだ参加館が少なく揺籃期にある。したがって, 今後どのように発展させていくかが図書館界にとって焦眉の問題となっている。そして海外の先進的・特徴的なコンソーシアム活動の実態を知り, それらをわが国の事情に照らして適宜参考にすることが求められている。コンソーシアムの定義・意義, 特徴, 目的, 形態, 種類, 方針は, それぞれの時代や国・地域によって異なる。そこで本稿では近年の状況について述べ, 西欧を中心に欧米における例を紹介する。さらにわが国におけるコンソーシアムの特徴と課題の一端を明らかにし, その今後について言及する。
著者
浦 昭二 宮川 裕之 眞鍋 龍太郎 細野 公男 福川 忠昭 神沼 靖子
出版者
慶応義塾大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1990

本研究の目的は、情報システム学の概念を確立することと、それに基づいた教育カリキュラムを構築することである。本年度は、前年度にまとめた、情報システムの定義・目的・特徴・機能・性格,情報システムの問題を考える際の留意事項、情報システム教育の方向などに関する基本的な考え方に基づいて、情報システム学の体系、情報システム教育のカリキュラム、当該カリキュラムに含まれる各科目の内容を検討し最終案をまとめた。まず情報システム学の体系は、情報システムの「企画」、「開発」、「運営」、「概念」、「社会的影響」の5つの側面から構成されるとし、それぞれの特徴と相互関連を明らかにした。このうち最初の3つは、情報システムの構築・活用に直接結びつくことが多い側面であり、後の2つは情報システムの基本概念およびそれと社会との関わりを扱い、それぞれ前の3つの要素とは異なった側面(次元)をもつものである。この体系に基づいて、情報システム教育の中心となるコア領域と参照学問領域の2つの領域から構成される教育カリキュラムを構築した。このうち参照学問領域は、情報システムの人間・社会的側面に接近するために既存の学問領域に属する知識・技術を情報システム学の視点から捉えた科目群と、情報システムの構築・把握などに関わる各種の自然科学・工学的な知識・技術を扱う科目群とに大別した。カリキュラムを構成する科的としては、コア領域に属するもの29科目、参照学問領域に属するもの32科目の合計61科目を設定した。さらに、情報システム教育の実学的特徴に配慮して、上述の領域を横断的に捉える「事例調査」と「プロジェクト研究」の2つを設けた。これらの科目は、動機付けのための基礎科目(19科目)と専門科目(43科目)とに分けられている。また、各科目の概要を、位置付け、狙い、アプロ-チ、内容、レベルの観点から記述し、さらに具体的なコ-ス例を複数個作成した。
著者
細野 公男
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.606-612, 1996-11-01

文献電子化への流れ, テキスト処理技術の進歩, 情報提供における利用者志向は, 従来の索引作業の役割やあり方に大きな影響を及ぼしている。本論文ではこのような背景を踏まえて, まず付与索引・抽出索引, 主題検索の特徴を述べると共に, 各種のアバウトネスの概念および索引作業との関連を紹介した。続いて, 付与索引・抽出索引および主題検索が現在抱えている問題点を明らかにした。前者では主題概念の表現力の不備と利用者アバウトネスの欠落が, 後者では主題概念の表現力の不備が大きな問題である。さらに, 索引作業が効果的に機能するために今後考慮すべき要件として, 利用者アバウトネスの取り込みと自動索引手法の高度化の必要性を示した。