著者
浦川 加代子 萩 典子 Urakawa Kayoko Hagi Noriko
出版者
三重大学医学部看護学科
雑誌
三重看護学誌 (ISSN:13446983)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.89-92, 2008-03-05

本研究では, 職業性ストレスの中でも 「対人関係」, 「活気」, 「仕事の満足度」, 「仕事の適性度」, 「家族のサポ-ト」 などがストレス対処行動に影響していることが明らかになった. 性別との関連では, 男性より女性の方が約 6 倍の確率でストレス対処をしていること, 男性は趣味を含めた自分の好きなことや運動など単独で対処する傾向にあり, 女性は人と話をする対処行動が最も多く, ソ-シャルサポ-トを活用している傾向がみられた. このような結果をふまえ, セルフケア推進のため個別に認知・行動療法などの内的ストレス対処方法の指導を実践していくことが課題である.
著者
牧野 英之 浦川 加代子 MAKINO Hideyuki URAKAWA Kayoko
出版者
三重大学医学部看護学科
雑誌
三重看護学誌 (ISSN:13446983)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.9-18, 2013-03-15

〈研究目的〉 本研究では,心神耗弱・喪失状態において重大な他害行為を行い医療観察法による入院となった患者が,対象行為や精神疾患,長期にわたる指定入院医療機関での入院について,どのような体験をして,その体験をどのように意味付けているのかを記述し,理解することを目的とする.\n〈研究方法及び分析方法〉 医療観察法入院患者1名を対象に半構成的面接を行った.そして,面接での患者の語りをハイデガーの存在論に基づくBennerの解釈的現象学の帰納的質的研究方法により分析した.\n〈結果・考察〉 1.医療観察法入院患者の対象行為の意味は,他者に対しての他害行為そのものがストレスの対処であり,他者の気持ちに関心を向けることができず,他害行為を行っていた. 2.他害行為時,医療観察法入院患者はストレスを抱えて苦しんでおり,他のことに関心を向けることのできないような状況になり他害行為を行っていた. 3.医療観察法入院患者は,医療観察法入院後,ストレスに対して病気としての意味を持ち,普段の入院生活の中で病気への対処を実践していた. 4.医療観察法入院患者は,他害行為時は被害者の気持ちに関心を向けることができない存在であった.しかし,入院中に,スタッフによる「気遣い」を受け,大事に思われていと感じることで,他者の気持ちに関心を向けることができるようになり,他者を「気遣う」ことができる存在となっていた. 5.医療観察法入院患者の語りから,他害行為時どのような苦しみがあったのかや,普段の入院生活での行動の意味を患者自身の世界で意味付けするままに捉え,理解していくことの必要性が示唆された.
著者
浦川 加代子 萩 典子 Urakawa Kayoko Hagi Noriko
出版者
三重大学医学部看護学科
雑誌
三重看護学誌 (ISSN:13446983)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.89-92, 2008-03-05
被引用文献数
3

本研究では, 職業性ストレスの中でも 「対人関係」, 「活気」, 「仕事の満足度」, 「仕事の適性度」, 「家族のサポ-ト」 などがストレス対処行動に影響していることが明らかになった. 性別との関連では, 男性より女性の方が約 6 倍の確率でストレス対処をしていること, 男性は趣味を含めた自分の好きなことや運動など単独で対処する傾向にあり, 女性は人と話をする対処行動が最も多く, ソ-シャルサポ-トを活用している傾向がみられた. このような結果をふまえ, セルフケア推進のため個別に認知・行動療法などの内的ストレス対処方法の指導を実践していくことが課題である.
著者
浦川 加代子 Urakawa Kayoko
出版者
三重大学医学部看護学科
雑誌
三重看護学誌 (ISSN:13446983)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.43-47, 2013-03-15

人間の生活に深く関わり,個人の潜在能力を高める援助である看護は,SOCの形成と強化を促進する援助でもあることが指摘されている.近年,特に,精神保健看護領域において精神疾患患者を対象としたSOC研究が盛んになっている.精神疾患患者は一般的にSOCが低い傾向にあることが報告されていることから,国内でのSOC研究についての文献検討をふまえ,海外での精神科看護領域におけるSOC研究の内容を文献検討した.その結果,健康生成論の理論的枠組みに基づいた集団的介入プログラム作成や,自殺未遂者のSOCからその後の再自殺リスクを予見している結果から,精神科看護のアセスメントツールとして,SOC尺度が有効であることが示唆された.本邦の精神科看護領域においても,SOCを高める介入研究は,早急に推進していくべき研究課題といえる.