著者
曽山 小織 吉田 和枝 米田 昌代
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1_139-1_150, 2015

子育てする母親とそれを支援する祖父母との間には,子育て方法に関する世代間相違があると指摘されている。本研究の目的は,祖母の子育て経験と孫育てに対する意識との関連を明らかにすることである。調査方法は無記名自記式質問紙調査であった。妊婦の母親651名に調査票を配布して,有効回答数は180名であった。分析は単純集計とχ<sup>2</sup>検定を用いた。対象の平均年齢は57.1±5.5歳で,祖母の子育て経験と孫育てに対する意識との間に関連が認められたのは,おしゃぶりの使用,沐浴後の湯冷ましの使用,離乳食を大人が噛み砕いて子どもに与えること,果汁開始や断乳の時期,三歳児神話,または性別役割分業意識であった。赤ちゃんが泣きやまないときの粉ミルクの使用に対する意識と祖母の子育て経験との間には関連が認められなかったが,初孫か初孫以外かとの間には関連が認められ,孫の誕生が粉ミルク使用に対する意識を変化すると示唆される。
著者
今井 美和 吉田 和枝 大門 真理那 中西 愛海 山越 杏奈
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 = Ishikawa Journal of Nursing (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.13-24, 2019-03

HPV ワクチンの接種が推奨されていた世代に属する大学1,2年生女子の子宮頸がんとその予防に関する知識,子宮頸がんと子宮頸がん検診に対する態度の状況を把握することを目的とし,2014 年度に質問紙調査を行い,393 人の結果について分析した.HPV ワクチン接種者は62.3% で,子宮頸がん,HPV ワクチン,子宮頸がん検診の用語は知っていても,子宮頸がんとその予防に関する詳細な内容の理解は十分ではなかった.子宮頸がんに罹患する可能性と子宮頸がん検診の有益性を認識していた者は10% 台で,20 歳からの子宮頸がん検診受診の意識が非常に高かった者は18.6% であった.子宮頸がんとその予防に関する教育を受けた者は29.5%,20 歳からの子宮頸がん検診の受診を周囲から勧められた者は8.4% であり,10 代後半女性の子宮頸がんとその予防に関する理解と認識を深めるために,養護教諭や医師などの専門職がこれらの情報を積極的に提供することが必要であると考えられた.
著者
今井 美和 吉田 和枝 大門 真理那 中西 愛海 山越 杏奈
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 = Ishikawa journal of nursing (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.13-24, 2019

HPV ワクチンの接種が推奨されていた世代に属する大学1,2年生女子の子宮頸がんとその予防に関する知識,子宮頸がんと子宮頸がん検診に対する態度の状況を把握することを目的とし,2014 年度に質問紙調査を行い,393 人の結果について分析した.HPV ワクチン接種者は62.3% で,子宮頸がん,HPV ワクチン,子宮頸がん検診の用語は知っていても,子宮頸がんとその予防に関する詳細な内容の理解は十分ではなかった.子宮頸がんに罹患する可能性と子宮頸がん検診の有益性を認識していた者は10% 台で,20 歳からの子宮頸がん検診受診の意識が非常に高かった者は18.6% であった.子宮頸がんとその予防に関する教育を受けた者は29.5%,20 歳からの子宮頸がん検診の受診を周囲から勧められた者は8.4% であり,10 代後半女性の子宮頸がんとその予防に関する理解と認識を深めるために,養護教諭や医師などの専門職がこれらの情報を積極的に提供することが必要であると考えられた.
著者
今井 美和 吉田 和枝
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 = Ishikawa Journal of Nursing (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.51-62, 2018-03

HPV ワクチン接種が推奨されていた世代の高校2,3 年生女子を対象として,子宮頸がんとその予防に関する知識,子宮頸がんと子宮頸がん検診に対する態度の状況を把握するため,2014 年度にヘルスビリーフモデルを用いた質問紙による調査を行い,179 人の結果について分析した.HPV ワクチン接種者は66.5% であった.半数以上の者は子宮頸がん,HPV ワクチン,子宮頸がん検診の用語,子宮頸がんの発症年齢を知っていたが,HPV の用語,子宮頸がんの症状,HPV,HPV ワクチン,子宮頸がん検診に関する知識のすべての項目については半数に満たなかった.子宮頸がんに罹患する可能性と子宮頸がん検診の有益性を認識していた者は20% 前後で,20 歳からの子宮頸がん検診受診の意識があった者は24.6% であった.子宮頸がんとその予防に関する教育を受けた者は38.5%,20 歳からの子宮頸がん検診の受診を周囲から勧められた者は15.1% であった.それ故に,子宮頸がんとその予防に関する情報を女子高校生に合った方法で提供して理解と認識を深める必要があると考えられた.
著者
米田 昌代 吉田 和枝 曽山 小織 島田 啓子
出版者
石川県立看護大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011-04-28

この研究の目的は、周産期の死(死産・新生児死亡)を経験した母親・家族を社会全体で支えるシステムを開発することである。今回、全国の主要な医療機関(産科・NICU)、行政(県・市区町村)、赤ちゃんを亡くした方の自助グループに対して各々の退院後のグリーフケアの現状と関係機関の地域連携の現状・課題・新たな提案について調査を実施し、その結果をもとに連携システムのモデル案を作成した。その後、母性看護学・助産学の研究者から意見を聴取し、さらに吟味を重ね、周産期のグリーフケアにおける地域連携システムモデル案Ⅰ案を完成するに至った。