著者
海沼賢 宮下 芳明 西本 一志
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24(2006-EC-003), pp.113-120, 2006-03-14

本研究では3Dマップ上を自由にウォークスルーしつつ,その地形に触発されて思いついたコメントを書き捨てて行けるシステムを開発し,小説創作における支援を試みた.まずオーサーは自分のイメージする物語の舞台となるマップを作成し,物語構築に協力してもらいたいビジターに配布して,思い思いの「妄想」を書き込んでもらう.オーサーは作品執筆の際,ビジターによって多くのコメントが書き込まれたマップ上を歩き回り,他者の妄想を拾い読みながら自らの発想の糧にしていく.これにより一人の人間による発想の限界を超えた多種多様なアイデアを得ることが可能となり,発想の行き詰まりを打開すると期待される.本稿では,マップをビジターに配布して発想を集めるビジター実験と,それを用いて実際小説の執筆を行うオーサー実験によってシステムの評価を行った.
著者
海沼賢 宮下 芳明 西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24, pp.113-120, 2006-03-14
被引用文献数
1

本研究では3Dマップ上を自由にウォークスルーしつつ,その地形に触発されて思いついたコメントを書き捨てて行けるシステムを開発し,小説創作における支援を試みた.まずオーサーは自分のイメージする物語の舞台となるマップを作成し,物語構築に協力してもらいたいビジターに配布して,思い思いの「妄想」を書き込んでもらう.オーサーは作品執筆の際,ビジターによって多くのコメントが書き込まれたマップ上を歩き回り,他者の妄想を拾い読みながら自らの発想の糧にしていく.これにより一人の人間による発想の限界を超えた多種多様なアイデアを得ることが可能となり,発想の行き詰まりを打開すると期待される.本稿では,マップをビジターに配布して発想を集めるビジター実験と,それを用いて実際小説の執筆を行うオーサー実験によってシステムの評価を行った.We developed a system that the users can walk through a 3D map and can write and leave their whimsical thoughts with basis on its terrain. In this paper, we evaluated its potential as support for writing novels. At the very start, the author creates a 3D map that forms a setting of his story, and distributes it to the people (visitors) whom the author wants to help him. The visitors write their whimsical thoughts freely; the author strolls on the map, browsing the comments, and gets new inspirations from them. In this way, the author collects many ideas that cannot be cooked up by himself, and finally may end a deadlock. To examine how the system actually works as we intended, we conducted two experiments. In the first experiment, we collect whims using the system, and analyzed what types of comments can be collected. In the second experiment, we took five people writing a novel with the system, and observed their activities.