著者
松岡 拓人 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-151, no.13, pp.1-2, 2013-01-25

プレゼンテーションにおいては,終了予定の数分前に予鈴が鳴らされることが多い.しかしこの予鈴は発表を妨げ,その後も発表者が流れを取り戻しにくい. 「そろそろ時間だ」 という知らせは定刻の何分前にするとかではなく,迫り来る時間はもっと連続的なものとして存在する.時間伝達も連続性を直感的に感じられるようデザインされるべきではないか.私達が提案する焦げ臭を用いた時間伝達の場合は,焦げ臭の濃度が次第に高くなることによって時間が迫っているという感覚を表現する事ができる.
著者
中野内 涼也 宮下 芳明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.375-378, 2021-08-23

一部の領域の輝度を変化させた画像を連続で表示することで,運動知覚が生じ,画像内の物体が移動していないにもかかわらず動いているように見える.この錯視現象を利用したアニメーション作品が SNS 上で注目を集めているが,その作成には知識やノウハウ,プログラミングの技能が必要であるため困難である.本研究では,画像内で選択した領域を,任意の方向・速度で動いているように知覚させられるツールを提案し,アニメーション作成を支援する.
著者
大家 眸美 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.12, pp.1-7, 2012-07-12

ウェブブラウジングの際,書き手のネガティブな感情表現によって読み手が精神に悪影響を受けることがある.本稿では,この影響を緩和する手法について考察する.ウェブコンテンツ閲覧前の対処として,ネガティブな感情表現を検出し,ポジティブ化,また婉曲化する段階的なフィルタリング手法を提案する.本手法は,読み手の閲覧時の気分を考慮し,それに応じた換言を施したコンテンツを提示する.また,閲覧後の対処として,「気にしない」ことを表明するテキストボタンインタフェースを実装した.このインタフェースによる効果について考察したところ,ボタンとしての機能を使用しなくても,存在するだけでネガティブな感情表現による影響を緩和することがわかった.When the reader browsing the World Wide Web, his/her mental is adversely affected by the writer's expressions of his/her negative emotions. In this paper, we discuss how to ease this impact. For before viewing web contents, we would like to propose a stepwise filtering method, that recognizes negative feeling expressions and replace it to a positive or rather eased expression. With this method, the reader's feeling when browsing is considered, and the content shown will be replaced to be suitable for situations. Also, for after viewing, we have a text button interface to express one's feeling that one "doesn't mind". Studying the effect of this interface, we have found that its presence eases the effect of negative feeling expression, regardless of using its function as a button.
著者
宮代 理弘 宮下 芳明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.182-185, 2014-09-12

本稿では,プログラミング言語であるProcessingのコードをできる限り短くしてツイートする遊びについて述べる.そこでは,「プログラムがツイートされると,それを見た人がさらに短いコードを作成してツイートする」という一種のコミュニケーションがみられる.実例をもとにそこで観測されたコード短縮技法やコミュニケーションを紹介する.
著者
山中 祥太 栗原 一貴 宮下 芳明
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.3_53-3_63, 2013-07-25 (Released:2013-09-25)

視線計測技術の精度は年々向上しているものの,ユーザが操作したいと考えて注視している画面内のオブジェクトを視線情報のみから特定することは困難であると言われている.一方で,注視していない範囲は容易に特定できるため,この領域を適切に利用することで新たなインタラクションが可能になると考えた.本論文では,注視していない領域においてカーソルの移動速度を上昇させ,ポインティングを高速化する手法を提案する.評価実験では,PC操作において日常的に行われるアイコンクリックを想定したタスクを行い,選択時間とエラー率を計測した.実験に用いたカーソル速度は,OSの標準速度,OSの最高速度,提案手法の3種類である.実験の結果,提案手法は標準速度より選択時間が短縮され,かつエラー率は上昇しないことから有効性を示した.
著者
宮下芳明 西本一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 : ヒューマンインタフェース研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2004, no.90, pp.13-18, 2004-09

本稿では、温度を媒介として打鍵後に助言を行う即興演奏支援システムを開発した。従来の即興演奏支援システムとは異なり、楽器の基本機能を変更しない点が特徴である。システムの効果を検証するため、典型的な即興演奏支援システムとの比較実験を行った。その結果、即興演奏未経験者にとって、従来の即興演奏支援システムのほうがより楽しいと評価されたが、本システムは即興演奏の支援にとどまらず、即興演奏に対する学習を促す効果を持っていることが示された。 : In this paper, we propose an improvisation support system that makes advice after a player hits the key via thermal sensation. Differ from conventional improvisation support systems, it does not change the essential function of a musical instrument itself. To examine effectiveness of the system, we carried our an experiment and compared it with a typical improvisation support system and the instrument with no support. Though the traditional improvisation support system was rated more enjoyable by novice subjects, our system certainly supported them and facilitated learning the harmony, namely, fostered their music ability.
著者
大塲 洋介 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2022-HCI-200, no.37, pp.1-8, 2022-11-01

MacBook Pro(2021)画面上部のノッチ領域には,カーソルが進入できる.しかし,カーソルの一部や全部が隠れてしまう.この影響でノッチが操作時間を増加させることを,筆者らは先行研究で明らかにした.そして本稿では,ノッチを「カーソルが進入できない領域」とした方が良いと提言する.ノッチの外縁でカーソルが留まるため,ノッチと隣接したターゲットを高速に選択できると考えられるからである.実験 1 では,現行のノッチの仕様で,「ノッチに進入する戦略」よりも「ノッチを回避する戦略」が望ましいことを示した.実験 2 では,ノッチを「カーソルが進入できない領域」に変更した場合,ノッチと隣接するターゲットを速く正確に選択できるようになることを示した.
著者
彭 雪儿 宮下 芳明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.129-131, 2022-08-25

本稿では,非接触型のアロマサイネージシステムにおいて「気流への影響」という観点から最適なハンドジェスチャを考察した.例えば,手を横方向に払うジェスチャを行うと,ユーザの前に滞留する空気が横に押しのけられ,反対側から新鮮な空気が入り込み,自然な拡散よりも遙かに速い「消臭」が実現される.よってこのジェスチャは,現在のにおいを消したり,次のにおいに切り替えたりする際の操作への割り当てが適しているといえる.このような考察のもとで,ハンドジェスチャで操作するアロマサイネージシステムを設計・試作した.
著者
大家 眸美 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.15, pp.1-2, 2013-01-25

Twitter 等におけるネガティブな感情表現の不快感を緩和する手法として,筆者らはこれまでポジティブな表現に言い換える手法を提案してきたが,本稿では,その文章の信頼性を下げる言い換えを行うことによって緩和する手法を提案する.信頼性を下げる手法としては,文章に文字化けを混入させたり,誤変換を行ったり,むやみなカタカナ語を使用したり,文末を変更することによって他人が言っていたことにしたり夢オチにすることによって実現している.
著者
大塲 洋介 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2022-HCI-199, no.2, pp.1-8, 2022-08-15

MacBook Pro(2021)にはディスプレイの上端中央にノッチ(描画が行われない黒い領域)が配置された.デフォルトのカーソルサイズの場合,このノッチとカーソルが重なると,カーソルの全部もしくは一部が隠れてしまう状況が観察された.このような状況下では,ユーザはノッチ内でのカーソルの位置がわからなくなったり,カーソルを見失ってしまったりする可能性がある.それにより,ノッチを回避する経路をとったり,ノッチ付近で慎重に操作したりすることで操作時間が増加するかもしれない.本研究では,画面上端にあるターゲットから,同じく画面上端にある他のターゲットを選択する場合(例えば,メニューバーの「ファイル」項目を選択後,「検索」項目を選択する場合),ノッチが操作時間に与える影響を調査した.結果,本実験条件のうち,ノッチがターゲットの間にある条件では,操作時間が約 11.8% 増加することがわかった.
著者
藤本 雄太 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2010-HCI-139, no.11, pp.1-7, 2010-07-23

従来のプレゼンテーションは,同じ形状・サイズの四角いスライドを 1 枚ずつ用いているため,全体の構成もメリハリのない均質なものとなりがちである.そこで本稿では,マンガのコマ割りの技法を導入し,自由な形状とサイズのコマをレイアウトして,時には複数の情報を同時に見せられるプレゼンテーションを作成するツールを提案する.
著者
宮下 芳明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.143-150, 2022-08-25

本稿では,味覚メディア(味覚センサ・味覚メガネ・味覚ディスプレイ・味覚プリンタ)のビジョンについて整理するとともに,最新事例として飲食物の味と見た目を変える調味家電 TTTV2(Transform The Taste and Visual appearance)を提案する.元飲食物Aと,目標飲食物Bを味覚センサで測定し,味の差(B-A)を算出し,元飲食物Aに基本五味の溶液を噴霧混合することで味を変える.また,可食インクの印刷で見た目を目標飲食物Bに近づける.作例として,エリンギを毒キノコ(ベニテングダケ)と同じ味と見た目にして安全に体験する,牛乳をカニクリームコロッケと同じ味と見た目にして甲殻アレルギーの人でも安全に体験する,といった,従来の食品では実現できない事例で検証を行い,その可能性について示した.
著者
富張 瑠斗 木下 大樹 大塲 洋介 山中 祥太 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2022-HCI-199, no.5, pp.1-7, 2022-08-15

視力が低いとポインティングの際,カーソルやターゲットがぼやけて見える.そのためターゲットを慎重に狙う必要があり,選択までの時間が増加する可能性がある.また,カーソルやターゲットを正確に把握できないため操作ミスも増える可能性がある.本研究では視力が低下した際,パフォーマンスがどの程度低下するのかを調査する.実験では視力の変化を画面のぼかしで代替することで,画面上のターゲットが明瞭に見えない状況を再現した.実験の結果,ぼかしが強いほど操作時間とエラー率が増加することがわかった.また,ターゲットが小さいほど,エラー率に対するぼかしの影響が大きいことがわかった.
著者
吉川 祐輔 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2010-HCI-139, no.4, pp.1-7, 2010-07-23

本稿では,調理レシピを記述するためのデータフロープログラミング言語を提案する.提案手法でレシピを記述することで,調理と食材の流れを視覚的に把握しつつ,構造化されたレシピを得ることができるようになる.本稿ではさらに,調理レシピをデータフロープログラミング言語として表すために必要な要件と,もたらされるであろう未来について述べる.
著者
鍜治 慶亘 宮下 芳明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.266-275, 2021-08-23

舌やその周辺,あるいは飲食物へ電気を流すことで,味細胞の刺激や,飲食物内のイオン泳動を引き起こし,味覚を変化させる手法を総称して電気味覚という.これまで,電気味覚の研究では多様な刺激波形が用いられており,その種類やパラメータによって味覚変化の効果が異なる.本稿では,先行研究約30本で利用された刺激波形を再現し,さらにそれらを編集した新規の刺激波形による効果を検証可能なシステム「TasteSynth」を提案する.本システムを用いることで,既知の刺激波形の追検証や未知の刺激波形の探索が容易になると考える.
著者
木下 大樹 大塲 洋介 富張 瑠斗 山中 祥太 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2022-HCI-199, no.37, pp.1-8, 2022-08-15

多くのポインティング手法の評価実験ではできるだけ速く正確にタスクを行うように指示される.速さと正確さはトレードオフの関係にあるため,それぞれにどれだけの重みを置くかは参加者にゆだねられてしまう.例えば,エラーしにくいポインティング手法を提案して評価実験をする場合,正確さに重きを置く参加者が多いと,従来手法との差が出ない可能性がある.本稿では,速さと正確さに対するバイアスがポインティング手法の評価結果へ与える影響を調査した.ニュートラル,速さ重視,正確さ重視の 3 種類のバイアスでポインティングタスクを行う実験を,十字カーソルとバブルカーソルの 2 種類のカーソルで実施した.結果,バイアスとカーソルの間に交互作用がみられ,バイアスが正確さ重視になることでカーソル間のエラー率の差が小さくなることがわかった.このことから,速さと正確さに対するバイアスが評価結果に影響を与える可能性が示唆された.一方で,正確さ重視においてもバブルカーソルの方が十字カーソルよりも有意にエラー率が低く,バブルカーソルはバイアスによらず有効な手法であると示された.ポインティング手法の評価実験において,複数のバイアスを条件に含めてタスクを行うことで,多彩な状況(たとえば,ユーザが確実にエラーをせずにボタンを選択したい状況)を考慮した評価が行えると考えられる.
著者
青木 秀憲 宮下 芳明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.37-42, 2008-05-21
被引用文献数
1 4

本稿では,ウェブサービス「ニコニコ動画」でのコメント頻度によってその映像にともなう音楽のサビ部分の検出や映像要約に応用可能なのかを検証すべく,様々なジャンルの映像をとりあげ評価を行った.In this paper, we investigated various movies on Nicovideo, and checked the relation between the frequency of comments and chorus-section in the music used in it. We also proposed the method for video summarization using the frequency of comments on Nicovideo.