著者
新井 康夫 坪山 透 原 和彦 三好 敏喜 海野 義信 一宮 亮
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、Silicon-On-Insulator (SOI)技術を用い、50 ミクロン程度まで薄くでき、100 万以上の画素数を持つピクセル放射線検出器(SOIPIX)を開発した。またこの検出器を用いて、実際に加速器ビームを照射し、数ミクロンオーダの位置精度が得られる事を実証した。さらに、荷電粒子やガンマ線を用いた放射線耐性試験を行い詳細なデータを得ると共に、シミュレーションによりそのメカニズムを解明し、放射線耐性の向上の為にプロセスの改良を行った。
著者
海野 義信
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

「国際的研究開発プログラム」SLHCに向けたふたつの国際協力、シリコンマイクロストリップセンサー開発とプラナーピクセルセンサー開発に参加。6月およびll月に欧州原子核研究機構(CERN)での研究集会にて、ストリップセンサーセッションの座長を勤め、またセンサー開発状況・日本での放射線損傷試験・ハイブリッド開発について発表。プラナープラナーピクセルセンサーセッションではピクセルセンサーの日本での製造状況について発表。先端の研究状況を相互に理解するとともに開発の競争・協力関係を築いている。「p型シリコンマイクロストリップセンサーの放射線損傷と耐放射線性の高度化」ホットエレクトロン装置によりマイクロディスチャージ発生点を同定、TCADシミュレーションプログラムにより発生電圧の構造依存性を評価。結果として、p型シリコン基材を使用するn一ストリップ読み出しセンサーの10cm角の大型シリコンマイクロストリップセンサーにおいても、空乏化電圧1kVまでマイクロディスチャージを発生しないセンサーを開発した。1kVの空乏化電圧はSLHCで予想されるストリップセンサー領域で予想される空乏化電圧であり、この大型センサーの完成によりSLHCでのストリップセンサーに目処が立ったと言える。「シリコン半導体飛跡測定器の構造及び熱設計の手法の確立」ヒータやダミーシリコンを用いた熱評価モジュールを評価し、限要素法と良い一致結果を得ている。ダミーハイブリッドによるワイヤー本ディングの評価から、ASIC+4層ラミネートハイブリッド+カーボン材の裏打ち構造の強度評価・最小厚を決定。実機センサーと実機ハイブリッドを組合せた実機モジュールの強度評価・熱設計と有限要素法との一致度を評価中。最終評価を得るにはもうしばらく時間が必要。
著者
海野 義信 寺田 進 池上 陽一 高力 孝 原 和彦
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

高度耐放射線性を持つp型シリコン半導体位置測定器の基本技術を完成させた。シリコンマイクロストリップセンサーは平方センチ当り10**15個の積分通過粒子数の高度耐放射線性を、更にシリコンピクセルセンサー技術では10**16レベルまでを評価。各種構造や信号収集の放射線量依存性を明らかにし、ホットエレクトロン解析・TCAD解析による細部構造最適化により、照射前で耐電圧1kVを達成する設計を完成。新開発の高集積・高熱伝導・低質量のハイブリッドを設計し両面読み出しモジュールを完成、熱および電気特性等の性能を評価した。