著者
穐山 浩 高木 彩 井之上 浩一 鈴木 美成 伊藤 里恵 涌井 宣行 浅井 麻弓 杉浦 淳吉
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.187-192, 2021-12-25 (Released:2021-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

食品中の残留農薬に関する正確な知識を促進するために,残留農薬のリスクコミュニケーションに関するシンポジウムプログラムをWeb開催した.リスクコミュニケーションプログラムは,プログラム前後のオンラインアンケート調査を使用して統計学的に評価した.105名の有効な参加者のアンケートを回収した.リスクコミュニケーションプログラムは,プログラム後のアンケート結果の分析により,プログラム後の理解と関心の点において効果的であったことが示された.プログラム前の残留農薬のリスク認知や安全性評価の認知は,残留農薬の基準値を確立に関する認識と有意に正の相関性があった.プログラム後のリスク認知はプログラム前よりも有意に高く,プログラムによりリスク認識が増加したことが示唆された.重回帰分析では,プログラム前に残留農薬の安全性評価に関する意識や基準値設定に対する認知が高い参加者ほど,プログラム後の理解度やリスク認知が高くなることが示唆された.