著者
小深田 祐子
出版者
熊本学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究の主目的は、意味・語用論的な観点から、日英語の所有構文および関連構文に見られる定性効果に焦点をあて、所有の概念と名詞句の意味的性質とがどのような関係にあるのか、その根底に潜む意味的要因を見極めることである。具体的には、以下の3点に重点を置き、原理的説明を試みる。1) 英語の所有構文および獲得動詞を含む構文の定性効果と名詞句の意味機能との関係の解明2) 名詞句の意味機能が密接に関わる構文のうち、とりわけ所有の概念と一見関係しないような他の言語現象(日本語のコピュラ文など)との比較検討をおこなう。3) 名詞句の意味機能の観点から、日英語の普遍的な特徴および個別的な差異を明らかにする
著者
長山 芳子 深田 祐子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 62回大会(2010年)
巻号頁・発行日
pp.25, 2010 (Released:2010-10-15)

【目的】人にも環境にもやさしい台所や住まいの洗浄剤として、重曹が普及し始めている。被服および繊維製品では重曹使用によるしみ抜きや部分洗いの効果が謳われている。著者らは人工汚染布を用い重曹の洗浄力が高いことを報告したが、濃度や温度の効果については不明な点が多い。そこで本研究では、油汚れに対する重曹の洗浄力について、オレイン酸の乳化作用の面から検討することとした。 【方法】洗浄剤として重曹(炭酸水素ナトリウム、試薬特級)、石けんとしてオレイン酸ナトリウム(試薬特級)、モデル油汚れとしてオレイン酸(試薬1級)をそのまま使用した。濃度は重曹0~950mM、オレイン酸ナトリウム1.25~5.0mMとし、単独及び混合して用いた。乳化方法は、重曹水溶液20mLとオレイン酸0.1mLを共栓遠沈管に入れ、恒温振とう機(大洋科学工業株式会社M-300) で、往復120rpm、温度20~40℃、時間10min~24hr振とうした。振とう後の水溶液は分光光度計(日本分光V-660DS)でスペクトルを確認後、500nmにおける吸光度を測定し、この値を乳化値とした。pHおよび表面張力(輪環法)も測定した。 【結果】重曹-オレイン酸水溶液は、振とうの短時間側では吸光度0に近く、オレイン酸は水溶液上面に油滴状態で浮遊しており乳化されていなかった。振とう時間の経過とともに吸光度は段階的に上昇し乳化が確認された。振とう3hr後ではいずれの温度も重曹濃度5mMの低濃度から乳化が生じた。振とう後の乳化水溶液を撹拌したところ起泡性が確認された。重曹のみの水溶液では表面張力の低下はわずかであるが、重曹-オレイン酸水溶液では重曹低濃度から表面張力は著しく低下しており、重曹石けんの生成が示唆された。