著者
長山 芳子
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

重曹は「人にも環境にもやさしい」洗浄剤として普及し始めたが、被服の洗濯に対する記載が少ない。本研究では、衣類の水系洗濯における重曹の効果について、湿式人工汚染布を用いた洗浄実験、モデル油性汚れを用いた乳化・可溶化実験、モデル固体微粒子汚れカーボンブラックに対する分散性実験を行った。その結果、 重曹は単独で用いるより、石けんと併用することにより、油性汚れおよび固体粒子汚れのいずれの除去に対しても洗浄効果を高めることが明らかとなった。
著者
長山 芳子 深田 祐子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 62回大会(2010年)
巻号頁・発行日
pp.25, 2010 (Released:2010-10-15)

【目的】人にも環境にもやさしい台所や住まいの洗浄剤として、重曹が普及し始めている。被服および繊維製品では重曹使用によるしみ抜きや部分洗いの効果が謳われている。著者らは人工汚染布を用い重曹の洗浄力が高いことを報告したが、濃度や温度の効果については不明な点が多い。そこで本研究では、油汚れに対する重曹の洗浄力について、オレイン酸の乳化作用の面から検討することとした。 【方法】洗浄剤として重曹(炭酸水素ナトリウム、試薬特級)、石けんとしてオレイン酸ナトリウム(試薬特級)、モデル油汚れとしてオレイン酸(試薬1級)をそのまま使用した。濃度は重曹0~950mM、オレイン酸ナトリウム1.25~5.0mMとし、単独及び混合して用いた。乳化方法は、重曹水溶液20mLとオレイン酸0.1mLを共栓遠沈管に入れ、恒温振とう機(大洋科学工業株式会社M-300) で、往復120rpm、温度20~40℃、時間10min~24hr振とうした。振とう後の水溶液は分光光度計(日本分光V-660DS)でスペクトルを確認後、500nmにおける吸光度を測定し、この値を乳化値とした。pHおよび表面張力(輪環法)も測定した。 【結果】重曹-オレイン酸水溶液は、振とうの短時間側では吸光度0に近く、オレイン酸は水溶液上面に油滴状態で浮遊しており乳化されていなかった。振とう時間の経過とともに吸光度は段階的に上昇し乳化が確認された。振とう3hr後ではいずれの温度も重曹濃度5mMの低濃度から乳化が生じた。振とう後の乳化水溶液を撹拌したところ起泡性が確認された。重曹のみの水溶液では表面張力の低下はわずかであるが、重曹-オレイン酸水溶液では重曹低濃度から表面張力は著しく低下しており、重曹石けんの生成が示唆された。
著者
長山 芳子 勝二 博亮
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.466-477, 2020 (Released:2020-12-03)
参考文献数
21

対人関係形成が困難で通常の学級(以下,通常学級)で孤立していたADHDの小学5年生女児を対象として,通常学級と特別支援学級の相互的アプローチによる対人関係支援を実施した。通常学級では主に構成的グループエンカウンターによる居場所づくりを,特別支援学級ではソーシャルスキルトレーニングによる対人関係スキル形成を試みた。さらに,通常学級では対象児との具体的な関わり方の手本を示すとともに,特別支援学級を開放した友達づくりの支援も行った。学級診断アセスメントである「楽しい学校生活を送るためのアンケート(Q-U)」を継続的に実施して支援効果を検証した結果,学級満足度尺度による評価から,通常学級内での居心地感が徐々に高まることが明らかとなった。さらに,学校生活意欲尺度では,互いに信頼できる友達関係形成により,学級の雰囲気や友達関係の評価が高まるだけでなく,学習意欲の向上にも寄与するなど,さまざまな波及効果を生むことが示唆された。