- 著者
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竹村 彰通
駒木 文保
清 智也
- 出版者
- 東京大学
- 雑誌
- 萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2006
Vladimir VovkとGlenn Shafer によるゲーム論的確率論は以下の著書でその基礎が与えられた.Glenn Shafer and Vladimir Vovk. Probability and Finance:It's Only a Game! Wiley, New York, 2001そこでは,Skepticとよばれる賭をする人と,Realityとよばれる賭の結果を定める人の,二人のプレーヤーの間のゲームを設定することにより,ゲームの結果として確率が定まることが示されている.注目すべきは,測度論無しに,大数の強法則,中心極限定理,重複対数の法則,さらに数理ファイナンスにおける価格付けの諸公式,などが証明される点にある.竹村は,竹内啓,公文雅之との共同研究を通じて,ゲーム論的確率論に関する新たな結果を得ている.これらはtechnical reportとして発表されていたが,研究発表に示すように国際雑誌に刊行の段階となっている.また竹村はShafer氏およびVovk氏とも共同研究を進めており,以下の研究成果を得た."The game-theoretic martingales behind the zero-one laws", by Akimichi Takemura, Vladimir Vovk and Glenn Shafer. Techinical Report METR 08-18, March 2008.この研究では,測度論の諸仮定をおくことなく,コルモゴロフの0-1法則などの0-1法則の一般的な形をゲーム論的枠組で示している.