著者
清原 健司 古家 賢一 金田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.161, pp.39-43, 2000-06-23
被引用文献数
1

反射性の対向壁の間でパルス音等の短音を発生させた場合に、特別な音色の音が室内に残って知覚される現象は、フラッターエコー(鳴き竜)としてよく知られている。しかし、壁面の反射率が極めて高い直方体室内で短音を発生させた場合に、sweep音が知覚されることは、一般にはあまり知られていない。本稿では、この「3次元鳴き竜」とでもいうべきsweep音についての分析をし、その生成機構を解明したので報告する。解析は簡単のため、立方体室について行った。解析の結果、反射パルス音列の大部分が二乗時間軸上で等間隔になっており、これが時間軸上では時間に比例して周波数が上昇しているためにsweep音として知覚されていることを明らかにした。