著者
清水 まさ子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.147, pp.52-66, 2010 (Released:2017-02-15)
参考文献数
21

本稿では論文において先行研究を引用している文の文末のテンス・アスペクトに着目し,それらを量的に調査し,それらがどのように用いられ,さらに引用節の形式との間に何らかの関係性を持っているかについて考察した。その結果,テイル形文末引用文は当該の論との間に論理性を生み出し,タ形文末引用文はタクシス的に働き,時系列的に論を進める際に用いられていることが明らかになった。さらに特定のテンス・アスペクトは,特定の引用節の形式とともに出現する傾向があることがわかった。テイル形文末の場合,①事柄フォーカス引用文の「と」以外+間接引用文,②著者フォーカス引用文の「と」+間接引用文,③著者フォーカス引用文の「と」以外+間接引用文という3つの引用節の形式と共に多く出現していた。またタ形文末の場合は,著者フォーカス引用文の「と」以外+間接引用文という引用節の形式と共に多く出現していた。
著者
大島 弥生 佐藤 勢紀子 因 京子 山路 奈保子 山本 富美子 佐々木 泰子 アプドゥハン 恭子 清水 まさ子 張 瑜珊 トンプソン 美恵子 二通 信子 李 セロン
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

国内外の日本語学習者および母語話者の大学生・大学院生,その指導者の学術的受信発信技能向上の支援方法充実のために以下を行った:人文科学・社会科学・工学の9分野270編の日本語学術論文の構造の分析;人文・社会科学系論文における引用を解釈に活用する談話展開の分析;学術語彙習得過程を調査するテストの開発と母語話者・非母語話者への実施;海外の日本語教員・国内の留学生等へのインビューによるニーズ調査。同時に、パネルディスカッションを通じて問題を分析・共有し,アカデミック・ジャパニーズ教育の中核的意義は広く洗練された視野を獲得し学術的追求の意義を認識する得難い機会を与えることであることを確認した。