著者
高崎 みどり 杉本 明子 佐々木 泰子 立川 和美 星野 祐子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、文章・談話の中の引用表現について、その実態を明らかにし、分析を施すことを目的とした研究である。扱ったデータは雑談、目的をもった会話、随筆等と多岐に渡る。引用表現について、文レベルでは扱えなかった諸現象に注目し、話し手および書き手の言語行動の戦略的所産として捉え直すことで、引用表現研究の新たな研究の可能性を示すことができた。
著者
佐々木 泰子
出版者
お茶の水女子大学日本言語文化学研究会
雑誌
言語文化と日本語教育 (ISSN:09174206)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-10, 1992-12-05

終助詞の「ね」は、日本人の談話で多用される。終助詞の「ね」について、辞書には、「詠嘆、念押し、同意を求める気持ち」などの記述が見られる。しかし、終助詞「ね」の使用には、上記用法のほかに談話における「丁寧さ」とのかかわりがあるように思われる。小論では、まず、類似した分析視点を有する主だった先行研究をサーベイし、次いでテレビの談話分析とアンケート調査を行い、終助詞「ね」が親しみをこめた丁寧さの働きかけをしていることを明らかにする。
著者
佐々木 泰子
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.167-175, 2016-11-18 (Released:2017-12-02)
参考文献数
28

乳酸菌の遺伝子操作が本格化したのは 1980 年代後半であり、乳酸菌独自のベクターの探索に始まり、染色体への組み込みベクターの開発、さらに乳酸菌の特徴である“food-grade”な安全マーカー・ベクター・挿入遺伝子などが開発されて大いに進展した。 21 世紀に入りゲノム時代に突入すると、重要な産業株のゲノム解析が始まり、ゲノム情報を利用したトランスクリプトーム・プロテオーム・メタボローム研究が活発化した。ポストゲノム研究によって乳酸菌全体の代謝やストレス応答を鳥瞰的に捉えることが初めて可能となった。その後オーム解析の対象は単菌から複合系へと進展を見せ、発酵食品や腸内菌叢を構成する菌のメタ解析が行われ、 30 年前とはケタ違いの情報の蓄積が得られている。筆者は 1987 年にヨーグルト発酵を担う乳酸菌の研究を開始して上記の乳酸菌研究の時代の流れそのものと向き合ってきた。格段の進展が認められる乳酸菌研究であるが、その一方で未だに遺伝子操作が出来ない菌も多い。特に発酵食品に使用されてきた乳酸菌産業株は、外来遺伝子の攻撃に強い株が繰り返し選抜されてきた結果、形質転換が困難になったと推定される。以上 30 年の筆者らの研究の流れを紹介してみたい。
著者
大島 弥生 佐藤 勢紀子 因 京子 山路 奈保子 山本 富美子 佐々木 泰子 アプドゥハン 恭子 清水 まさ子 張 瑜珊 トンプソン 美恵子 二通 信子 李 セロン
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

国内外の日本語学習者および母語話者の大学生・大学院生,その指導者の学術的受信発信技能向上の支援方法充実のために以下を行った:人文科学・社会科学・工学の9分野270編の日本語学術論文の構造の分析;人文・社会科学系論文における引用を解釈に活用する談話展開の分析;学術語彙習得過程を調査するテストの開発と母語話者・非母語話者への実施;海外の日本語教員・国内の留学生等へのインビューによるニーズ調査。同時に、パネルディスカッションを通じて問題を分析・共有し,アカデミック・ジャパニーズ教育の中核的意義は広く洗練された視野を獲得し学術的追求の意義を認識する得難い機会を与えることであることを確認した。